MSとNovellの幹部、相互運用性について会談

Novellのジェフ・ジャフィーCTO(最高技術責任者)とMicrosoftのクレイグ・マンディー最高研究戦略責任者はBrainShareの演壇で顔を合わせ、両社の間で先ごろ締結されて物議を醸している提携について話し合った。

» 2007年03月20日 15時50分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米国Novellの「BrainShare」カンファレンス、オープニングキーノートアドレスの一部として、同社のジェフ・ジャフィーCTOとMicrosoftの最高研究戦略責任者であるクレイグ・マンディー氏が3月19日、ひざを交えた会談を行った。

 このような会談は、BrainShareでは初めての試みとなるもの。Microsoftは最近、Novellの新たなパートナーになったが、両社の提携は大きな物議を醸している。

 両氏はこの会談で、提携をめぐって最大の議論の的になっている特許協定に関する話題には触れなかった。

 面白いことに、司会者を務めるNovellのジョン・ドラグーン最高マーケティング責任者によってマンディー氏が紹介されたとき、ジャフィー氏のときよりも大きな拍手がわき起こった。ジャフィー氏はオープニングキーノートの中で、「IT業界はLinuxとWindowsという2つのプラットフォームに集約されつつあり、Novellは今日、両方のプラットフォームをサポートするのに有利な立場にあり、Linux分野で主導的役割を果たしている」と語った。

 マンディー氏も、統合化によって2つのプラットフォームに集約されるという見方に同意し、ユーザーは両方が混在した環境を利用するようになるだろうと述べた。

 「ユーザーはイノベーションだけでなく相互運用性も求めており、Microsoftは幅広いソフトウェアコミュニティーと一緒に橋を築きたいと考えている」と同氏は語り、さらに、コスト削減に関して業界はユーザーの要求に応えるだろう、と述べた。

 同氏によると、MicrosoftとNovellの製品間の相互運用性の実現可能性についても誤解があり、両社間の先の提携は「この2つの環境をつなぐ橋を築き、それらをユーザーの環境の中で共存させることが可能である」ことを示したという。

 ジャフィー氏も「相互運用性はNovellにとって決して新たな難問ではなく、当社は何年もの間、この問題に取り組んできた」と述べた。

 今後3年間でデータセンターはどのように変化するかとの質問に対し、ジャフィー氏は「統合、仮想化そして物理リソースと仮想リソースの管理を軸とした変化になるだろう」と語った。

 マンディー氏によると、今後もデータセンターで異種混在環境が存在し、相互運用性が重要になるのは明らかだという。そして環境の管理も非常に重要であり、異種システムがより自然な形で共存する必要がある、と述べた。

 「MicrosoftとNovellが合意を交わして5カ月になるが、両社の製品を使っているユーザーの間でこの提携は好意的に受け止められており、この分野ではすべてが順調に進んでいる」と同氏は話す。

 ジャフィー氏によると、Novellの立場から言えば、顧客の声が同社に提携を促したとしている。

 現在進行中のイノベーションも非常に重要であり、NovellではLinuxを企業にとって不可欠なものにしたいという。

 「われわれは複数のOS用のアプリケーションをホストするつもりだ。当社はこれらをLinux上でホストしようとしており、MicrosoftはWindows上でホストしたいと考えている」とジャフィー氏は話す。

 マンディー氏によると、ユーザーにとって両社の提携の主要なメリットの1つが「新たなレベルの選択肢がもたらされることだ」という。

 この会談の後、Novellのドラグーン氏は、「まさかと思うようなことも、実際に起きるんだ」とひと言。

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