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» 2007年03月27日 07時00分 公開

ユーザー企業出身の女性社長が唱える「現場に効く提案」「データ」に着目した保守・運用会社が誕生(1/2 ページ)

製造業専門のコンサルティング会社、ネクステックは3月26日、子会社ネクステックウェイブの設立を発表した。2008年3月期より連結対象となる。

[大西高弘,アイティセレクト編集部]

紙の図面中心の製造現場

 ネクステックは2000年創業。数年の間にデータ整備やメンテナンス、3D-CADやソフトウェア開発支援などさまざまな分野の企業を傘下に収めてきた。コンサルテーション以降の実装部分の業務にも手を広げてきたわけだが、今回の子会社設立は最下流の保守・運用の分野だ。しかしこの子会社、上流から流れてくるものをただ受け止めるだけの会社ではないようだ。

 「保守・運用会社という言い方はネクステックウェイブにおいてはかえって誤解を生むことになるかもしれない」と語るのは、ネクステックの代表取締役社長山田太郎氏。4月2日に正式に発足する子会社について、山田氏は大きな期待を寄せている。

 ネクステックの売り上げ高は約30億円。5年以内にグループで100億円を目指している。ネクステックウェイブの売上目標額は明確にしないながらも、「100億円達成時点ではそのうち2割から3割はネクステックウェイブが稼ぎ出してくれないと」と山田氏は話す。

 資本金2000万円、スタッフ10名程度からスタートするという保守・運用会社にそこまで期待をする理由は何か。そこには、製造業のPLM(Product Lifecycle Management)の実現をサポートしてきたネクステックの実績が関係しているようだ。

 日本の製造業は世界ナンバー1の実力を持っていると言われたのは、一昔前のこと。もちろん実力は十分にあるが、アジアを中心とした各国の企業に猛追されているのが現状だ。国内だけで製造するにせよ、グローバルなネットワークの中でモノづくりを進めようと、製造過程の情報の管理がしっかりしていなければ、効率的な生産は不可能だが、日本の製造業の中にはどうもそのあたりが不得意な会社も多いようだ。

 日本の製造業の現場では、まだ「紙の図面情報」が中心で、図面が人から人へと渡っていくことで情報共有がされているケースが多いという。また、定型化された製品の部品管理はできていても、仕様変更に対する対応力が低い場合が多い。

 例えば欧州市場に出荷する場合、日本国内では使用可能な部品でも、厳しい欧州の環境規制で別の部品に差し替えなければならないことがある。こうしたさまざまな仕様や部品の変更を想定して、製品全体の情報を管理し、シミュレーションできる体制ができていなければ、生産現場の迅速で正確な対応は期待できない。製品のアイテム数は年々増加し、製品のライフサイクルとリピートオーダー率は減少しているという市場にあって、こうしたことに対応できない企業は生き残れない。

 ネクステックは製造現場での部品表の情報を通じて製品のスペックをマネジメントするソリューションを提供してきた。

 ネクステックウェイブはこのようなネクステックのコンサルテーションの流れを汲む会社で、設計、生産、販売などに流通する製品や部品の情報を常に最新のものに維持する仕組みを守り、正確に運用できる体制を作ることを主な業務とするという。

 「ネクステックウェイブはシステムの安定稼働だけを主眼にした仕事はしない。データそのもののマネジメント、システム運用デザイン、データクレンジングを業務としていく。データクレンジングといっても文字サイズやフォントの切り替えをする程度のクレンジングではない。お客さまの現場のデータに精通した上で、汚れたデータを適正なものに更新する作業になる」と語るのは、ネクステックウェイブ代表取締役社長の首藤晴美氏。

今後の抱負について語るネクステック代表取締役社長、山田太郎氏とネクステックウェイブ代表取締役社長、首藤晴美氏。
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