アンケートが教えてくれた「猫に追われるチョロQ」――玩具企業のDBマーケティングアイティセレクト特選事例:タカラインデックスeRラボ株式会社(1/2 ページ)

タカラトミーのデータベースマーケティングを担う、タカラインデックスeRラボはデータマイニングツールを活用して、さまざまな顧客との接点から新しいニーズをつかみ出そうとしている。

» 2007年03月28日 07時00分 公開
[アイティセレクト編集部]

導入前の課題

サイトでのユーザーの行動を把握したかった。また分析内容を定型化しづらいことから、迅速に分析ロジックを変更できるシステムが求められていた。


導入を経ての課題

顧客DBに蓄積された情報とWebアクセスログとを合わせてデータマイニングを行い、これまで見えなかった行動やプロセスが見えてくるようにしていきたい。GUIによる分析ロジック構築が可能であり、豊富なテンプレートを活用できることから、短期間でニーズに応じた分析ロジックを作って処理できるようにしていきたい。


ワン・トゥ・ワンの時代へ

 タカラとトミーが2006年3月に合併して誕生し、トップクラスの玩具メーカーとなったタカラトミー。同社の多彩な製品群は、幅広い年齢層に親しまれている。

 タカラトミーが年間に発売する商品は約1700アイテム。製品作りに強みを持つ同社としては、その多数の商品を、それぞれ対象となる顧客に周知してもらうことが重要だ。

 「時代は、大量生産・大量販売から、ワン・トゥ・ワンへと変わってきました。商品のプロモーションも、マス媒体への広告だけでなく、インターネットから配信するなど多様化が進んでいます」と、同社の関連会社で、そのDBマーケティングを担当するタカラインデックスeRラボ、データベースマーケティング部マネージャーの福家正和氏は言う。「そこで、顧客の属性情報を活用し、効果的なマーケティングモデルを作っていくため、データベースマーケティングに取り組むことにしたのです」

タカラインデックスeRラボ、データベースマーケティング部マネージャー 福家正和氏

大量の顧客情報をDBに集約して素早く分析

 タカラトミーのDBマーケティングには、大きく3つの目的がある。顧客との良好な関係を構築すること、個々の顧客に適した情報を配信すること、そして顧客の反応を次の商品へとフィードバックすること。これらを実現するためには、顧客DBの整備が欠かせない。タカラトミーにはコールセンターやECサイト、商品購入者へのアンケート、主要商品ごとの登録制ファンクラブなど、さまざまな顧客接点がある。

 そこで、それらのチャネルから得られた顧客の情報を集約して活用すべく、CRMパッケージを導入し、統合顧客DBを構築した。同時に、情報収集や分析を効率的に行えるよう、商品購入者アンケートをハガキからWebへ切り替えている。Webでのアンケートは05年2月からスタート、07年1月の時点では、合計二十数万件という顧客DBのうち十数万件がアンケート回答によるものだという。

 さらに、この大量のデータを集計・分析するためのデータマイニングツールも並行して導入を進めてきた。その中で、アンケートの自由回答部分のテキストマイニングや、日に200万ものアクセスが集まるタカラトミーのWebサイトで得られたアクセスログなどを分析し、顧客の姿を詳しく把握するために導入されたのが、エス・ピー・エス・エスのマイニングツール「Clementine」だ。

CRMシステム全体概要図
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