MS、MySpace世代に向けた新たな戦略発表へ(1/2 ページ)

ブログやマッシュアップを楽しむ世代には、新たなインターネットへの接し方だ。Microsoftは、そんなニーズに応えるべく、新たな準備を進めている。

» 2007年04月20日 07時00分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftでは、MySpace.com世代を引き付けるためにデベロッパー部門から新サービスを提供する準備を進めている。

 Microsoftでは約1カ月後に、同社のノンプロフェッショナルツールグループの新しい取り組みを発表する予定だ。ノンプログラマーがMicrosoftのプラットフォーム技術を利用して自分のエクスペリエンス(環境)をカスタマイズできるようにする新しい方法の開発を担当しているのは、同チームでプログラムマネジャーを務めるジョン・モンゴメリー氏だ。

 ワシントン州レドモンドに本拠を構えるMicrosoftによると、この取り組みは山場を迎えているという。

 Microsoftのデベロッパー部門のコーポレート副社長を務めるS・ソーマ・ソマセガー氏は米eWEEKの取材で、「プログラミングのことをよく知らない『MySpace世代』とでも呼ぶべき人々がたくさんいる。彼らはオンライン上で多くの時間を費やしているが、情報を消費しているだけではない」と語った。

 「5年前は、一部の人々が情報を発信するだけで、圧倒的多数の人々が情報を消費するのを楽しむという状況だった」とソマセガー氏は話す。「今日、人々は情報を消費するのを楽しむのと同時に、自分に合ったエクスペリエンスを作成し、それを友達や家族と共有したいと考えるようになった。MySpaceのページカスタマイズ機能は、まさにそのニーズに応えたものだ。人々は自分の個性や考え、あるいは自分の気持ちをオンラインで表現できるのを望んでいる」。

 ソマセガー氏によると、人々は異なるWebサービスを簡単な方法でマッシュアップできるようにしたいと考えているという。「自分の好きなゲームでも、そのサウンドが気に入らないので、それを修正したいと考える人もいる」。

 「つまり、人々は自分独自のものを作成し、それをほかの人と共有したいのだ。しかしこういった人々はプログラミングの方法を知らない。プログラミングのことを知りたいとも思わないかもかもしれない。彼らがどの程度プログラミングについて知りたいのか分からないが、自分のエクスペリエンスを作成したいと考えているのは確かだ。だからわれわれは、彼らがそれを簡単にできるようにするためのツールや環境を提供したいのだ」と同氏は説明する。

 同社の新たな取り組みの目標は、一般ユーザーが自分のエクスペリエンスをMicrosoftのプラットフォーム上でカスタマイズできるようにし、ユーザーがその気になればプログラミングについてさらに詳しく学習するのを支援することだという。Microsoftでは、ノンプログラマーがソフトウェアを自分の思い通りに動作させる方法を詳しく学べるようにするための構想を相次いで打ち出しており、今回のプロジェクトもその1つである。同社では、開発ツールVisual Studioの初心者向けシリーズ「Express」も提供しているほか、ノンプログラマーにアプリケーションの作成方法を教えることを目的とした「Beginner Developer Learning Center」サイトを最近発表した。

 「この問題、ならびにExpressそしてノンプロフェッショナル開発者市場全体に関するわれわれの見方は、MySpace世代なるものが存在し、彼らが大人になって仕事をするようになれば、MySpaceやFacebook、そして現在使っているそのほかのツールが提供しているのと同じレベルのカスタマイズ性をOSやアプリケーションに求めるようになるというものだ」と話すのは、MicrosoftでVisual Studioを担当するプロダクトマネジャーのプラシャント・スリダーラン氏だ。

 「彼らは必ずしもプログラマーやコンピュータ科学者になるわけではないが、OSやアプリケーションに対してある程度の融通性を期待するようになるだろう」(同氏)

 MicrosoftのExpressツールの本来の目的もノンプロフェッショナルを支援するという方針に沿ったものだが、「Expressはあくまでもプログラミングに主眼がある。プログラミングの基礎の習得を目指したものなのだ。これらの基礎の一部は隠されてはいるが、プログラミングの基礎について学ぶ必要はある」とスリダーラン氏は話す。

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