MS、MySpace世代に向けた新たな戦略発表へ（2/2 ページ）

[Darryl K. Taft，eWEEK]

　スリダーラン氏によると、Beginner Developer Learning Centerの狙いもそこにあるという。つまり、よそでは教えてくれないようなコード作成の基本を人々に手ほどきすることである。「Beginner Developer Learning Center上で『For Dummies』（初心者向け）ブックも何冊か出版したばかりで、今後、コンテンツをさらに充実させる予定だ。しかしVB（Visual Basic）やC#の世界に進み、そのコードを記述するには、概念的な飛躍が要求される。そこまで進まない人もたくさんいるだろう」。

　ソマセガー氏によると、プログラミングを学び、コードを書きたいと考えている人々にはExpressが最適だという。Beginner Developer Learning Centerは、Expressに入るための予備的な知識を提供する。

　しかしスリダーラン氏によると、これが連続的な階段になるかどうかは不明だという。「マッシュアップの作成からスタートした人々が、最終的にプログラマーとして卒業するかどうかは分からない。彼らの一部は卒業すると思う。しかし彼らの大多数は、OSやアプリケーションをカスタマイズするという段階にとどまるだろう。それはそれで素晴らしいことだ。人々が受け取る情報を自分で管理できるようにし、その情報をどう組み合わせるかということが重要だとわたしは思う」と同氏は話す。

　Microsoftのノンプロフェッショナルツールグループの一部のスタッフは、O'Reilly Mediaの「Make Magazine」誌主催の「Maker Faire」イベントに参加する予定だ。このイベントは4月22〜23日にカリフォルニア州サンマテオで開催される。Microsoftは昨年の同イベントで、企業ユーザーが斬新な方法でVisual Studio Expressを活用している事例を紹介した。Microsoftが今回のイベントで、現在進めているプロジェクトに関連したものを披露するかどうかは不明だが、その可能性は低そうだ。というのも、ソマセガー氏によると、このプロジェクトを正式に発表する準備が整うのは1カ月ほど先になる見込みだからだ。

　ノンプロフェッショナルツールグループのモンゴメリー氏が2006年1月に「Tuscany」というコードネーム（現在は使われていない）で初めて紹介したこのプロジェクトは、より多くの人々がプログラマーのランクに到達するのに貢献できるのであれば、Microsoftにとって、さらには業界全体にとって大きな可能性を持っている。

　「こういったことをやりたいという人が増えているという意味では、非常に大きな可能性がある。MySpaceを見ると、何百万人もの人々が毎日、MySpaceで何かをやりたがっているのが分かる。わたしから見れば、こういった人々はすべて、Microsoftのこのプロジェクトの潜在的ユーザーだ。単に数字という観点で見ても、これは非常に巨大な分野だ。しかしこれらの人々の中で、次のレベルに進み、プログラミングを学びたいというようになるのは、そのごく一部だろう。しかし本当にプログラミングの世界に進みたいというこれらの人々のために、われわれはできるだけ簡単に移行できるようにしたいと考えている」とソマセガー氏は話す。

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