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» 2007年04月24日 06時58分 公開

コンサルって何だろう:残された分厚い報告書――上流と下流の分断 (1/2)

外部コンサルタントの力を借りて自社の「あるべき姿」を描いた報告書を作成するケースは多い。しかしこれらは具体的には経営に役立てられないまま眠ってしまっていることもしばしばだ。

[大西高弘,アイティセレクト編集部]

本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムック「あなたの会社の名医を探せ! ITコーディネータ徹底活用術」でご覧になれます


避けたい「同床異夢」

 ITコーディネータ(以下、ITC)という資格は、大企業相手の仕事にも非常に役立つという。改革といっても当事者である企業は、小手先の現場改善では当然満足しない。そうした中で、ブレークスルーを実現する手立てとしてITCプロセスと言われる5段階の導入基準は威力を発揮する。参照記事

 外部コンサルタントの報告書といっても、種類は多様だ。経営全般を客観的に分析したもの、ITと関連づけたもの、各部署の業務分析に着目したもの、あるいはこれらをすべて網羅したもの。このような種類の報告書は一般に顧客のニーズに応じて作られるので、それが役立たないからといって、コンサルタントだけを責めるわけにもいかない。

 しかし、いずれにしても経営や業務に役立てられることなく役員の机の引き出しの奥深くにしまわれるだけでは、大枚はたいた意味がない。

 経営の改革にはいまやIT活用は欠かせない。従ってITCが行動原則とする、5段階の「ITCプロセス」はコンサル業務の1つの基準とも考えられる。

5段階のITCプロセス

 経営を変えようとするとき、一番避けなければならないのが、経営と業務の分断である。ここにITがからむ場合は、経営とITの分断と言い換えることもできる。何人かのITCに聞いたところ、IT経営の失敗は、上層部と中間層と現場が、同じツールに対して違うアプローチをしてしまっているというところから起こるという。いわゆる「同床異夢」という場合だ。

 「ITCプロセス」は構造は単純に見えるが、そこを踏み外すと必ず失敗するという、ギリギリの基準ともいえる。

手ごわい存在との出会い

 日本ユニシスのゼネラルビジネス事業部 開発営業部の営業三部 第一グループリーダーの吉川正樹氏が初めてITCと出会ったのは、ある中堅メーカーでのコンペの場だった。

 IT導入のコンペはもう何度も経験していた吉川氏だったが、各社のプレゼンに対して、先方の社長の隣で厳しい質問を投げかけてくる人物がITCだった。

 「結局、その会社でのコンペではわたしたちが仕事をさせてもらうことになったのですが、正直、なかなか手ごわい人がいるなという感じでした」と吉川氏は語る。

 日本ユニシスでは、以前からITCの資格取得には熱心に取り組んでおり、所属する事業部の方針もあって、吉川氏も2005年にITCの資格を取得した。

 「資格を取得する以前から、上流からIT実装までの流れについては知識があったし、実際に仕事でもそのプロセスを大切にしていました。しかし、資格を取得すると自分も周囲も少しずつ変化が起きてきました。担当SEとのディスカッションも今まで以上に深まってきたと思います。私自身もこれまで以上にプロセスに沿って、大事なポイントでは積極的にディスカッションに参加するようになりました」と吉川氏は話す。

日本ユニシス、吉川正樹氏
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