ビルドは次のようにmakeを実行することで行う。
$ make -f client.mk build
このとき、.mozconfig内の設定に基づいてconfigureが実行され、その後ビルドが開始される。なお、configure時に必要なライブラリがインストールされていない場合、エラーが発生しビルドは停止される。その場合、適宜適切なライブラリをインストールしていただきたい。
configureおよびビルドが無事完了すると、ビルドディレクトリ以下のdist/bin/ディレクトリ中に実行ファイルおよび使用ライブラリのシンボリックリンクが作成されているはずだ。このディレクトリ中で以下のように実行すれば、ビルドしたFirefoxが起動する。
$ ./firefox
また、次のようにするとFirefoxのプロセスをデバッガ(GDB)にアタッチ*した状態で起動できる。
$ ./firefox --debug
ビルド完了後、ビルドディレクトリ以下のbrowser/installerディレクトリ中で次のようにmakeを実行すると、配布用のインストールアーカイブがビルドディレクトリ以下のdist/ディレクトリに作成される。
$ cd <ビルドディレクトリ>/browser/installer
$ make
インストーラを有効にしてビルドを行った場合、同ディレクトリで「make installer」を実行することでインストーラ付きアーカイブがビルドディレクトリ以下のdist/install/sea/ディレクトリ内に作成される。
$ cd <ビルドディレクトリ>/browser/installer
$ make installer
また、次のようにmozillaディレクトリ中でmakeを実行することで、Firefoxを直接システムにインストールすることもできる。ただしこの場合、管理者権限が必要である。
# make -f client.mk install
なお、独自にビルドしたFirefoxでは、アプリケーションアイコンとして公式ビルドとは異なるアイコンが使用される。設定次第でアイコンは自由に変更できるものの、公式ビルドで使用されているアイコンはMozilla Foundationの商標であるため、公式ビルドのアイコンを使用してビルドしたバイナリは再配布できないことに注意しよう。
最速Firefoxをビルドしよう【後編】では、多くのユーザーが知りたいであろうWindows環境でのビルド方法、さらに、最適化の効果をふまえた上で、最速Firefoxへの道を進んでいく。
デバッグ対象のプロセスを制御できる状態にすること。
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