ブログ継続で得たもの――オルタナブロガー鶴田裕史氏(2/2 ページ)

» 2007年05月05日 08時00分 公開
[鶴田裕史,ITmedia]
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 「毎日書き続ける」という目標が重荷になることもありますが、それ以上にブログを書くことで、日常の些細なこと、仕事でのちょっとした出来事にも、注意が及ぶようになったことで、ネタが尽きる日は、まだまだしばらく先になりそうな気がします。

 しかし、疲れて頭が働いていない時など、書くことを思いつかないこともあります。しかし、無理にネタを探そうとすると余計に行き詰ります。ネタに行き詰った時には、ちょっとリラックスして本に目を通してみたり、テレビや新聞を眺めていると、ふと色々と考えさせられることがあります。行き詰った時には、このような気分転換で様々なことを考えていく過程を文章にしてみています。

『書き始めた当初と今の思い』

 オルタナティブ・ブログに書き始めた8カ月前は「テーマに沿って専門性の高い投稿をしよう」との思いがありました。

 「毎日書く」という目標は、システムの都合による一日を除いて、現時点では目標を達成していますが、その一方で「テーマに沿った専門性の高い投稿」に関しては、残念ながら影も形もない状態です。

 気持ちとしては、いつかのタイミングで、本来投稿していきたかったテーマに絞って、専門性の高いブログに変えていきたいと思います。しかし、その一方でブログを書き始めてから書きたいこと、考えを伝えたいことが沢山出てきています。

 並行して、個人のブログも毎日更新していますが、そちらと合わせてもまだ思っていること、書きたいことをカバーできていません。そのため、しばらくは今のまま、毎日感じたことを徒然なるままに書き記していこうと考えています。

『他のブロガーの投稿』

 自分のブログだけでなく、オルタナティブ・ブログの他の方のブログは役に立ちます。投稿によっては、知識も吸収できますし、考え方の勉強にもなります。特に更新の多い方のブログは、たまに目を通して参考にさせていただいています。

 自分がブログを書くことで、他のブロガーの方がどんなことを書いているのか興味が沸いてきて、人のブログにも興味を持ち、その結果自分自身の勉強にもつながっています。

 特に、ブロガーにはまったく経歴の異なる人、そして仕事上の接点がない人もいるため、そのような意味でもいろいろと吸収することが多いわけです。

 同時に、オルタナティブ・ブログのブロガーや、そのほかブロガーからのトラックバックを受けることも数多いわけです。その中で、自分自身の投稿の主題をまったく別の角度からとらえる人も多く、改めて物の見方を勉強するきっかけとなるものです。これはオルタナティブ・ブログを書き始めたことで、できるようになったことだと感じています。

『ブログの思わぬ効果』

 私の当初の想定では、ブログを読んでくれる人とのコミュニケーションは、ブログ投稿に対してのコメント、またはトラックバックという形のみで行われると考えていました。しかし、オルタナティブ・ブログでは、筆者の実名や所属を明確にしているため、「ブログを見た」ということで、思わぬコンタクトを直接もらうことが増えています。

 具体的なコンタクトの内容としては、昔の知り合いからのご挨拶、公の場であるブログへのコメントでなく個人的に意見をもらう場合、さらにはブログを読んで興味を持った上で仕事に関しての相談を受けることもあります。このような思わぬコンタクトから、昔の知り合いや新しい方々とのネットワークが広がっている側面もあるのです。さらには当初期待をしていなかった新しいお仕事をいただく機会が発生したりしており、改めてインターネットおよびブログの力を痛感しています。

 同時にほかのブロガーとのネットワークも広がり、仕事でもプライベートでも様々な機会が増えています。

 思わぬコンタクトやブロガー間のネットワークからさまざまなことが起こることで、ブログを書き続ける意欲も新たになります。必ずしも同じ結果が生まれる訳ではなく、これからも同様の効果があるとは限りません。しかし、ブログを書くことを続け、限られた時間にいろいろな事を考え自分なりの意見を公開し続けることで、人的なネットワークを広げることができればと思っています。

『ブログの難しさ』

 ブログを始めていちばん悩んだことは、コメントへの対応の難しさです。

 ブログはその特質上不特定多数の人の目に触れる訳ですし、限られた時間の中で書いた文章を通じてのコミュニケーションですので、本来意図したこと、意味したことが正確に伝わらない場合もあります。また、本来の主旨と異なる反応を示す人も出てきます。

 私のブログでも、文書の本題と関連して、または本題と関係無いことで、読者間でのコメントの応酬や、読者の人と意見が食い違うことがあります。ブログで発生しやすく、同時にいちばん収拾がつきづらいことは、言葉と言葉のやり取りになり、結果として感情的な言葉の投げ合いになってしまうことです。ブログのコメント等で激しい応酬に陥ることを「炎上」という言葉で表現していますが、そのような状態に陥らないようにすることももちろんですが、そのような状態に陥りそうな気配があった場合にできるだけ収束に向けて自らコメントをはさむことも必要となります。

 言葉を正確に伝えることができるように文章を作成することももちろんですが、一時的な感情に流されず冷静にコメントを読んで、必要なコメントを返すことがブログを長く続ける秘訣なのかもしれません。私個人的には、時間も限られていて、コメントいただいた方へのフォローも十分でないので、反省が必要です。

『これから』

 オルタナティブ・ブログを書き始めて、8カ月以上になります。その間にいろいろなことを投稿し、いろいろなコメントをもらいました。

 一部の近しい人からは、「書いている内容が難しすぎる」とのご指摘もあります。本人としては、思ったことをそのまま書いているのですが、表現が中途半端なためか、読み手としては難しい内容に感じる場合も多くあるようです。もっと平易で、解り易く簡潔な文章を書く努力は必要だと感じています。

 また、ブログは、文章に関してのスキルアップの場にもなると思います。そして、特定の主題に関して、いろいろな側面から分析を加えたシリーズのような投稿もしてみたいと思います。いちどトライしましたが、挫折した経緯もあるので、一度手元で書き溜めてから投稿していきたいと思います。

 その一方で、サッカーだけでなく、もう一つの趣味でもある音楽に関しても話題として触れていきたいと考えています。まだまだ、ほかに書きたいことが多くあるため、いつになるかは分かりませんが、ぜひともトライしてみたい話題でもあります。

 今後も継続して、休みなくブログを書き続けることで、仕事とプライベートのネットワークを広げることができ、さまざまな機会を見つけて学習していくことができるでしょう。ブログも単なる「書く作業」でなく、ほかの人達とのコラボレーションの機会として発展することと思います。オルタナティブ・ブログという、投稿者は個人でありつつも、公のブログという器を活用して、ブログを通じての新しいビジネスの展開や、人的ネットワークのありかたを模索してみたいと思います。

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