SIPropプロジェクトは、SIPの相互接続を解決するためのJavaベースのオープンソースフレームワーク「SIProp」のバージョン1.0をリリースした。
SIPropプロジェクトは、SIP(Session Initiation Protocol)の相互接続を解決するためのJavaベースのオープンソースフレームワーク「SIProp」のバージョン1.0をリリースした。SIPropはIPA(独立行政法人情報処理推進機構)の2006年度上期の未踏ソフトウェア創造事業に採択されたプロジェクト。
VoIPシステムで用いられるSIPプロトコルはその仕様が日進月歩で変化しているため、ベンダー間やキャリア間での相互接続が課題となっている。SIPropは、このようなSIP対応機器同士の仕様の差異を吸収する仕組みをフレームワークとして提供するもの。基本アーキテクチャはB2BUA(Back to Back User Agent)で、内部では機器依存部分を削ぎ落とした標準SIPメッセージ(FlatSIP)を操作することでメッセージの差異を変換する。
クライアントサイドで動作するB2BUAフレームワークのSIPropだが、近年増加するモバイル端末への組み込みにも対応するためにJ2ME(Java 2 Platform, Micro Edition)を採用。スタック部分には、Sun MicrosystemsがJSR(Java Specification Request)として公開したJAINをもとに、NIST(National Institute of Standards and Technology)がリファレンス実装したSIPスタック(NIST-SIP)を利用している。
すでに次期バージョンの構想も発表しており、今年の秋ごろをめどに、現在のクライアントサイドからサーバサイドのB2BUAフレームワークとしての機能を強化する。また、スタック部分もJAINには頼らない独自のSIPスタックを搭載する予定であるほか、SIPropをベースとしたクライアント間マッシュアップ用B2BUAアプリケーションサーバ「雷電」プロジェクトも立ち上げる予定であるという。
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