IRCの初心者向けガイドBeginner's Guide(3/3 ページ)

» 2007年05月14日 07時11分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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一般的なIRCコマンド

 ChatZillaをはじめとするIRCクライアントでは、単語の前にスラッシュ(/)を付けてコマンドを実行する。

 最初に覚えておきたいコマンドが「/help」だ。実行すると、ChatZillaで使えるコマンドに関するヘルプ情報が表示される (このコマンドはほかのIRCクライアントでも使える)。「/help」とだけ入力すると総合的なヘルプメッセージが表示され、「/help commandname」と入力すれば特定のコマンドの使い方を知ることができる。

 では、利用可能なコマンドを知りたいときはどうすれよいだろうか。その場合は/commandsを実行すれば、利用できるコマンドすべての一覧が表示される。ただし、その結果はIRCクライアントごとに異なる。ChatZillaは機能の充実したクライアントの1つなので、ほかのクライアントにはChatZillaほど多くのコマンドがないかもしれない。

 IRC経由で特定の相手とチャットを行う場合は、「/query username message」を使ってチャットを開始する。また、「/msg username message」と実行すれば、チャット画面を開かずにメッセージを送信することもできる。なお、中には個人的にチャットするのにふさわしくない相手もいるので、相手のことをよく知らない場合は無視するといいだろう。

 では、特定の利用者がIRCにログインしたことを知るにはどうすればよいだろうか。「/notify username」を実行することで、ChatZillaにその利用者の動向に注意するように指示できる。こうしておけば、ChatZillaがその利用者のログオンとログオフを通知してくれる。

 ある利用者の素性を知りたい場合は、「/whois username」コマンドを実行する。するとその人物に関する情報(もし登録されていれば実名など)や利用しているサーバを知ることができる。対象の利用者がIRCをログアウトしてしまった後で whoisが実行できない場合のために、ChatZillaではwhowasコマンドもサポートしている。「/whowas maskedman」とすれば、whoisコマンドで取得できるのと同じ情報をサーバから得ることができる。

 IRCはもっと奥が深いものだが、これから使い始めるのであればここに示した情報で十分間に合うだろう。

コラム:IRCのエチケット

 IRCには独自のエチケットが存在し、チャットに参加する前に心得ておくべき大事な注意点が幾つかある。

 当然のことだが、親切に振る舞うことが大切だ。Ubuntuコミュニティーの管理人Jono Bacon氏によると、利用者は「ほかの人の役に立つ存在であるべき」であり、「中には的外れな質問をする人もいる」という現状にも適切に対処する必要があるという。「誰でも最初は初心者であり、恥ずかしい思いをしながら学んでいくものだ。助けになるような建設的な回答でない場合は、相手にしないで無視することだ」

 なお、常にIRCのチャットに目を光らせている人はあまりいない、ということも覚えておいてほしい。大半のユーザーはほかの仕事の合間にIRCクライアントの画面をチェックするので、あなたの質問がしばらく誰の目にも触れない可能性がある。すぐに応答がないからといって同じ質問やコメントを繰り返す必要はない。その質問を読んだけれども応答しなかっただけの人にとっては、迷惑な行為だ。

 そして、あなたの意見を求めている人の存在に気付至ら、そのメッセージを読んだことを知らせてあげよう。忙しい場合はその旨を知らせ、それでも「誰かから連絡があったときは、可能になった時点で応答するように」とBacon氏は話している。

 また、IRCチャンネルでの迷惑行為は慎むこと。例えば、多くの人は、あるチャンネルで誰かが参加または退出すると音を鳴らしたり何らかの通知を行うようにIRCクライアントを設定している。中には、動作がないまま10分か15分するとマシンをスリープさせるように設定している人がいる。この場合、マシンのスリープ時には接続が切断されるが、IRCクライアントで自動接続を有効にしているとマシンの復帰時に再ログインが行われる。マシンの頻繁なスリープ/復帰によって20分おきにチャンネルに対する退出/参加を繰り返されると、多くの利用者は迷惑に感じるだろう。ただチャンネルにいるだけで積極的にチャットに参加しない人がそうした行為を行う場合は特にそうだ。

 最後に、トピックから外れた内容の書き込みは行わないこと。あるソフトウェアの使い方について質問するなら、そのプロジェクトの#project -develチャンネルに書き込みを行う前に、プロジェクトのWebサイトをチェックして適切な質問先を確認する必要があるだろう。ほとんどの場合、プロジェクトの-develチャンネルは(それがどんな名称であろうと)開発に関する質問や議論だけを対象としている。ソフトウェアの使用法に関する質問を- develに持ち込むのは、緊急連絡用の電話番号を使って駐車違反の通報をするようなものだ。運が良ければ誰かが親切に同じプロジェクトの-userチャンネルに案内してくれるが、そうでなければもっと冷たい反応が返ってくるだろう。

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