個人情報の漏えい対策費用を支払え――新たにこのような架空請求の手口が報告されている。
「あなたの個人情報が漏れている。ついては対策するので、その費用を支払え」――こんな手口の新たな詐欺が複数報告されていることから、国民生活センターは5月28日、注意を呼び掛けた。
一連の詐欺は、「個人情報」を元にした架空請求の新たな手口だ。同センターでは、個人情報の流出や漏えい、紛失事件に関する消費者の不安な心理を突いた不当な請求だと表現している。
挙げられている事例の1つでは、旅行やレンタカーの割引会員契約を結んだ男性に対し、「個人情報の流出が確認された。原因は不明だが、今後の安全管理対策を取らなければならず、そのために会員が対策費用を負担する必要がある」と説明し、80万円を要求してきたという。
別の例では、個人情報の「削除」料金として金銭を要求。自分の携帯電話や勤務先に電話をかけてきたり、住所を知られていることから不安にかられて総額約200万円を支払ったものの、再度別の業者から請求の電話が来たケースもあったという。
そもそも個人情報保護法では、個人情報の漏えい/流出を防止するための安全管理措置を事業者側の義務としている。漏えい後の対応についても、原因究明や再発防止策などの検討・実施は、やはり事業者側の努力義務だ。
この点を踏まえて国民生活センターでは、個人情報が流出した場合の対策費用を、流出された本人が費用を負う必要はないと説明。「個人情報対策費」や「削除料」などという請求には応じないよう勧めている。また二次被害を避けるため、もしこうした請求があったとしても、自分から個人情報を相手に話したり、情報の正誤を相手に教えないようにすべきという。
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