NECは、ユーザー中心設計プロセスの国際標準を取り入れたユーザビリティの高いシステムを開発できる仕組みを構築したことを発表した。
NECは6月1日、ユーザー中心設計プロセスの国際標準(ISO13407/JIS Z8530)を取り入れたユーザビリティの高いシステムを開発できる仕組みを構築したことを発表した。
従来、システムのユーザビリティを向上させる施策として一般に採られていたのは、完成したシステムを評価し、その結果を次期バージョンに反映させるという形態であった。この手法の場合、最終成果物の完成を待つ必要があり、作り直しが必要となった場合など、修正に時間が掛かるという課題があった。
NECでは、それまでも央研究所内のヒューマンインタフェースセンターが、個々の開発プロジェクトに上流工程から入り込み、ユーザビリティ向上のためのコンサルティングを行ってきたほか、事業領域ごとにユーザーインタフェース設計ガイドラインやユーザーインタフェース部品を作ることで、開発効率化を図ってきた。
今回の発表は、同社のシステム開発向け統合開発環境「SystemDirector Enterprise」をベースとした社内のシステムインテグレート標準に、国際標準化されているユーザビリティ重視の視点を体系化して盛り込んだもの。これにより、NECが受託開発するシステムのユーザビリティのさらなる向上を図るとともに、システムのユーザーインタフェース部分の開発効率を向上して開発コストの低減を目指す。同社ではこの仕組みを新規のシステム構築案件に適用、UI部分に関する設計および仕様化に必要なコストを6〜7割程度削減できたとしている。
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