しかし、最も深刻な問題は意外なところにあった。電話をW-ZERO3に切り替えたにもかかわらず、なぜか社員は携帯電話を持ち歩いている。話を聞いてみると「W-ZERO3はサイズが大きくて、携帯電話のようにポケットに入らない。みんなカバンの奥底に入れているので着信に気づかない。通じないことが多く、携帯電話は必須」というのだ。
また、発信するまでの操作手順が多く、電話機として使うには少々面倒だ。中には机の上に置きっぱなしにしている人もいる。使い方がややこしく、しかもかさばるので持ち歩きたくない。携帯電話さえあれば十分……これでは導入した意味がない。
だが、連絡事項のメール配信(同報メールはCCまたはBCCで送信)については、ITスキルの区別なく、現場の誰もがそのメリットを認めている。電話でスケジュールや全体のプロジェクトの状況を確認し合うのは時間の無駄で面倒だし、しかも間違いも多い。場所を選ばず、誰もがメールでコミュニケーションできるW-ZERO3は、これを解決する切り札となるはずだ。全員に携帯させてメールの積極活用を促すために、情報システム部の今後のかじ取りが試されている。
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