MicrosoftがWindows 11の最新プレビュー版を公開。新機能「Shared audio」による複数人での音声共有が可能になった他、タスクマネジャーのNPU監視強化、システム応答性の改善など、利便性と安定性を高める多岐にわたるアップデート内容をまとめた。
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Microsoftは2026年5月14日(現地時間)、「Windows 11」の最新プレビュー版「Build 26100.8514」および「Build 26200.8514(KB5089573)」を公開した。
今回のアップデートは、一般公開直前の最終検証フェーズに当たる「Release Preview Channel」向けに提供されたもの。対象バージョンはWindows 11「24H2」および「25H2」で、AI機能の強化からハードウェアの安定性向上まで、多岐にわたる更新が含まれている。
新機能として、Bluetooth LE Audioの放送技術(Auracast)を活用した「Shared audio」が実装された。これにより、1台のWindows 11 PCから複数人に対して同時に音声を配信できる。
移動中におけるペアでの動画視聴や、グループ学習での音源共有といった活用シーンを想定しており、タスクバーの「クイック設定」から対応機器を接続するだけで、手軽に共有を開始できる。
AI関連では、タスクマネジャーにおけるシステム監視機能が強化された。AI処理に特化した専用プロセッサNPU(Neural Processing Unit)を搭載したPCにおいて、NPUの利用状況をリアルタイムで確認できる列を追加。NPU専用メモリおよび共有メモリの消費量も監視可能となった。
また、GPUのニューラルエンジンの稼働表示にも対応し、システム全体のAI処理負荷を容易に把握できるようになった。併せて、セキュリティ上の理由でシステムから隔離して実行されているアプリを識別する「Isolation」列も加わっている。
アクセシビリティー分野では拡大鏡機能を強化した。スクリーンリーダーとの連携が向上し、ズーム倍率の変更や表示モードの切り替え、色の反転設定といった各種設定の変更状況を音声で案内する。
また、著作権保護されたコンテンツの拡大表示に新たに対応した他、「レンズモード」利用時の描画挙動を最適化し、より滑らかな視覚補助を実現している。
カメラ機能では「Multi-App Camera」を導入した。複数アプリが同時に同じカメラ映像にアクセスできる。「Basic Camera mode」も追加し、簡易動作モードで不具合解析や安定動作を支援する。企業管理者はグループポリシーから設定可能となる。
システムパフォーマンスの面では、アプリケーションの起動速度が向上した他、スタートメニューや検索機能、アクションセンターといったOSの根幹をなす主要なユーザーインタフェースの応答性が改善された。これにより、日常的な操作における全体的な快適さと安定性の向上が期待できる。
生体認証機能「Windows Hello」を最適化。モダンスタンバイからの復帰後における認証遅延を低減した他、高度なサインインセキュリティ(Enhanced Sign-in Security)利用時に発生していた認証の遮断問題も修正され、利便性と安全性の両立が図られた。
ストレージ関連では、開発者向けボリューム「Dev Drive」の作成プロセスを改善した。容量指定の単位に従来の「MB」に加えて「GB」が追加され、大容量ドライブの設定がより直感的となった。
また、設定画面から一時ファイルを確認する際、即座にUAC(ユーザーアカウント制御)ダイアログが表示されないよう仕様を変更。不要な認証手順を省くことで、クリーンアップ操作時のシステム負荷とユーザーの操作ストレスを軽減している。
個人設定では壁紙関連の信頼性を高めた。高解像度壁紙利用時やアップグレード後に単色背景へ切り替わる問題を抑制する。自動アクセントカラー選択精度も見直した。
個人設定においては、壁紙表示に関する信頼性が向上した。高解像度の壁紙を使用している際や、OSのアップグレード後に背景が意図せず単色(塗りつぶし)に切り替わる不具合を抑制している。
また、壁紙に合わせてシステムの色調を調整する「アクセントカラーの自動選択」についてもアルゴリズムを見直し、選択精度の最適化を図った。
USB関連では、USB4ドックやハブ経由で接続された外部ディスプレイの動作安定性を向上した。これにより、モダンスタンバイなどからの復帰時に画面が表示されないといったトラブルを抑制する。
また、USB3スタック(制御ソフトウェア)に新たな障害回復処理を導入した。周辺機器の利用中に発生するエラーへの耐性を高め、接続維持の信頼性を強化した。
電力管理分野では、センサーハブやHID(ヒューマン・インタフェース・デバイス)機器による不要な電力消費を抑制。モダンスタンバイなどの待機時におけるバッテリー消費のさらなる低減を図った。
入力関連では、サインイン画面におけるタッチキーボードの呼び出し信頼性を向上。また、入力切り替えUIの終了時に「エクスプローラー(Explorer.exe)」が不安定になる問題を解消した他、クリップボード履歴の表示速度も改善されている。
タイポグラフィの面では「Times New Roman」フォントを修正。ギリシャ語やキリル文字における結合記号の表示精度を高め、文字配置の不整合を解消した。
その他、タスクスケジューラ列幅保持、デスクトップアイコン読み込み安定化、Microsoft Storeダウンロード性能改善、ロック画面やテーマ変更時の安定性向上も盛り込まれた。
通常配布分ではSecure Boot関連更新も含まれる。新しいSecure Boot証明書を受信可能な端末判定精度を高め、自動配布対象を拡充する。十分な更新成功実績を持つ端末に限定して配布する仕組みを採用し、段階展開を維持する。
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