新たな買収ソリューションで進化を続けるOracle Fusion MiddlewareOracle OpenWorld Asia Pacific 2007 Report(1/2 ページ)

上海で開催されているOracle OpenWorld。3日目の基調講演では、買収によって獲得した技術を取り込み、さらに完成度を高めていくOracle Fusion Middlewareの紹介が行われた。

» 2007年08月02日 16時32分 公開
[谷川耕一,ITmedia]

 上海で開催されているOracle OpenWorldの3日目の基調講演ステージには、アジア太平洋地域のテクノロジーセールスの責任者であるニック・エバード氏がまず登壇し、アジア太平洋地域や中国におけるOracle Fusion Middlewareの製品ポジショニングについて解説を行った。

 ミドルウェアはこの地域においても重要な製品であり、アジア太平洋地域での売り上げ成長率は、IBM、BEA Systemsの製品を超えているという。さらにこの状況は中国においても同様で、中国における成長率はアジア地域全体のそれよりも高いものとなっており、多数の大規模な顧客がすでに存在することの証となっている。

 エバード氏に紹介され、続いてOracle Fusion Middleware担当副社長であるハサン・リズビ氏が登壇、「THE MIDDLEWARE REVOLUTION」というタイトルで講演を行った。Oracle Fusion Middlewareが完成されたスイート製品であり、かつそのコンポーネントも独立性があり、それぞれを組み合わせてベストオブブリードで利用できることから、他社ミドルウェア製品に対し大きな優位性を持っている。また、顧客や市場の要求・要望は常に成長しているので、製品もそれに合わせ成長を続けているとリズビ氏は主張する。

ハサン・リズビ氏 Oracle Fusion Middlewareは成長を続けているとハサン・リズビ氏

SOAは次世代のソフトウェアアーキテクチャに

 リズビ氏は、Oracle Fusion Middlewareの最新状況について、SOA、Information Management、Information Deliverly、Identity Management、Grid Computingの5つの観点に分け詳細に解説を行った。「SOAは、次世代のソフトウェアアーキテクチャーだ」とリズビ氏。既存の投資を生かし、さらに新しいものを容易に融合することができるためだ。スタンダードベースのOracle Fusion Middlewareによってこれらが実現し、さらに新たなWeb2.0のリッチなユーザーインタフェース技術もSOAシステムにどんどん取り込まれており、すでに活用段階にあるという。

 ステージでは商品を予約注文するというデモンストレーションが行われた。商品イメージ画像をAjaxの技術を利用してドラッグ&ドロップでショッピングカートに入れると、その情報がEnterprise Service Busを経由、BPELプロセスマネージャのエンジンが使われてワークフローが展開する様子が示された。

 ワークフローのプロセスの中で、必要に応じてE-Business Suiteなどのアプリケーションが呼ばれる仕組みや、フローの中で承認された結果がリアルタイムに次のアプリケーションに引き継がれるといった、その一連の処理の状況はBusiness Active Monitoringで把握することができる。これらの仕組みを、Javaベース、SOAベース、SQLインタフェースというあらゆるプラットフォームが開発環境として統合されているJDeveloperを用いて容易に構築を行えるという。

 また新たな課題としてリズビ氏が指摘したのは、複数のアプリケーションをSOAによって連携した際のガバナンス管理について。連携したSOAベースのシステム全体のコンプライアンスポリシーやセキュリティポリシーなどを管理するには、SOAガバナンス用のリポジトリを別途用意し、SOAシステム全体を掌握する必要がある。この課題にも、Oracle Fusion Middlewareのソリューションで対応できるとリズビ氏は言う。

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