マイクロソフトにとって、日本のERPベンダーはまさしくパートナー企業であるだけに、ERP市場への参入リスクは少なくなかったはずだ。
マイクロソフトがいよいよ日本市場でERP(統合基幹業務システム)製品「Microsoft Dynamics AX 4.0」(以下、ダイナミクスAX)の販売を開始した。ExcelやOutlookなどマイクロソフト製品との親和性や操作性の同一感をはじめ、アドオン開発の容易さ、将来のアップグレードへの対応のしやすさなどが売りだ。
「あなたを自由にするERP。使わされるのではなく、自然に使っているのが理想」――マイクロソフトが広告などで打ち出しているダイナミクスAXのキャッチフレーズには、こんなコピーが踊っている。とくに「あなたを自由にするERP」とのメッセージに、他の製品とは思想が違うという同社の思い入れが込められている。
ダイナミクスAXは、会計、人事、生産管理、CRM(顧客情報管理)など、とくに中堅企業を中心とした基幹業務システムに必要な機能を持ち、それらを柔軟に組み合わせて利用することができるERP製品である。
マイクロソフト・オフィス製品群との親和性や操作性の同一感をはじめ、アドオン開発の容易さ、将来のアップグレードへの対応のしやすさなどが売りだ。また、ソフトパッケージをそのまま販売するだけでなく、パートナー企業のソフトと組み合わせるなど、いわばERPのプラットフォーム的な展開に力を入れていく構えだ。
6月20日に行われたダイナミクスAXの発表会見でも、マイクロソフト日本法人のダレン・ヒューストン社長が「パートナー企業と一緒になって新しい市場を開拓していきたい」と強調していた。
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