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» 2007年10月29日 18時03分 公開

「ITシンプル化は哲学」――デル氏がアジアにおける新構想を発表

DELLの会長兼CEOであるデル氏は、日本を含むアジア地域を戦略的な重要拠点とし、新たに「ITのシンプル化」構想を打ち出した。

[伏見学,ITmedia]

 米DELLは10月29日、東京都内にて記者会見を行い、日本およびアジア地域における今後の戦略として「ITのシンプル化」構想を発表した。

 同社の会長兼最高経営責任者(CEO)であるマイケル・デル氏は、ITのシンプル化について「デルの哲学である」と述べ、今後さらなる成長を遂げるアジア市場において重要な戦略だとした。

アジア市場における戦略を語る、会長兼CEOのマイケル・デル氏 アジア市場における戦略を語る、会長兼CEOのマイケル・デル氏

 日本を含むアジア太平洋地域は、世界人口の60%を占め、約5億人のインターネットユーザーを抱えている。PC所有台数も年々増加しており、世界で最も急速に成長している市場といえる。同地域におけるDELLの2006年度第2四半期売り上げは20億ドルを超えており、サーバやストレージなどの企業向け事業では、前年比売り上げが20%増加した。

 ITのシンプル化は、「GET IT FASTER(ITを迅速に配備)」「RUN IT BETTER(ITを効率的に運用)」「GROW IT SMARTER(ITを賢く発展)」の3コンセプトを軸とする。従来の非効率な作業を減らし、ITインフラの「標準化」「統合」「自動化」によって人材の有効活用、生産性の向上、ビジネス拡張へ向けた資源の集中を実現していく。シンプル化の重要な点は「サービスをすべて製品に組み込むこと」(デル氏)という。

「ITのシンプル化」は大きく3つのコンセプトからなる 「ITのシンプル化」は大きく3つのコンセプトからなる

 こうした戦略を打ち出した背景にはITの複雑化に対する懸念がある。IDCによると、オンライン上のデジタルデータ量は、2010年には現在の約6倍となる988エクサバイトに増大する。また、The Wall Street Journalの調査によると、ネットワークに接続される機器数は今後5年間で過去15年分よりも多くなる。「競合他社はITを複雑にすることで利益を得ている」(デル氏)一方で、同社はあくまでシンプル化にこだわりサービスを提供していく考えを示した。

 具体的には、ITライフサイクルすべてのステージにおける効率性やITスタックの各階層における管理能力などを計測する無償のWebサービス「ITシンプル化評価ツール」や、ユーザーの要望に基づき、ITをシンプル化する数カ年プランの作成を行う「ITシンプル化アセスメントサービス」を提供していく。

「ITシンプル化評価ツール」 無償サービス「ITシンプル化評価ツール」(同社資料より)

 現在、新生銀行がITのシンプル化を採用。DELLのサーバでデータセンターを標準化することによってコスト削減や業務効率の向上を実現した。今後は国内企業に向けてさらにサービスを拡大していく方針だ。

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