Red Hatが明かした今後のロードマップTrend Insight(1/2 ページ)

Red Hatは、万事計画どおりに行けばほぼ8年後に世界のサーバ市場のシェアの半分を手にすると語る。その計画の詳細はどんなものだろう。

» 2007年11月13日 00時00分 公開
[Lisa-Hoover,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 昨日(11月7日)、オープンソースソフトウェアベンダーRed Hatの上級管理職層がジャーナリストとアナリストの前で新たなアプライアンスプラットフォームを披露し、仮想化技術が同社の長期計画にどう絡んでいくかを語った。結論は、万事計画どおりに行けばRed Hatがほぼ8年後に世界のサーバ市場のシェアの半分を手にするというものだった。

 Red Hatのエンジニアリング担当執行副社長ポール・コーミア氏とエンタープライズLinux事業部長スコット・クレンショー氏の言によれば、企業のCIO(最高情報責任者)やITマネジャーは板挟みに苦しんでいるという。彼らは、一方でコスト削減、顧客満足度の評価、事業での継続的な利益創出のための方法を探る役目を負いながら、他方では非現実的な見込みや永遠になくならないように見えるプロジェクトの不備に頻繁に直面しているため、計画立案にかけられる時間の不足を嘆いている。すべて予算削減のしわ寄せだ。果たして本来のCIOの役割とはどんなものなのだろうか。

 その答えはRed Hatの新たな自動化戦略――“いつでも、どこでも、どんなアプリケーションでも”――にある、とコーミア氏は語る。この戦略は、場所と手段を問わず、どんなソフトウェアアプリケーションまたはスタックでも顧客は望みのままに利用できるべきだという前提から生まれたものだ。Red Hatが計画しているのは、これを可能にする幾つかのツールの導入である。

必要とされる集約

 同社は2008年上半期にRed Hat Appliance Operating System(AOS)のリリースを予定している。このOSを利用することで、独立系ソフトウェアベンダーはさまざまな種類のサーバで動作するアプライアンスベースのパッケージ群をまとめることが可能になる。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)上に構築されるAOSには、RHELとの完全なABIおよびAPI互換性があり、Virtual Appliance Development Kitなるものが含まれている。これは、ISVが各顧客向けにミドルウェアやアプリケーションも含めてOS全体を設定できるものだ。

 AOSは完全にRHEL互換なので、RHELで動作確認済みのアプリケーションであれば、RHEL、VMware ESX、そして(いずれは)Microsoft Windows Viridianのような広く使用される大半のサーバでアプライアンスとしてすぐに導入できる。AOSを導入できるサーバは、x86-32、x86-64、IBMのSystem pおよびSystem z、IntelのItaniumなど1500種類を超える。

 AOSはRed Hatと提携するISVを通じて顧客に配布される予定で、「われわれはレベル3のサポートをISVに提供し、エンドカスタマに対するサポートはISVが行うことになる」とクレンショー氏は話している。

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