Oracle、「Enterprise2.0」機能をFusionに追加へ(1/2 ページ)

Oracleでは、「Enterprise2.0」機能が自社のFusion Middleware製品の差別化につながると考えているようだ。

» 2007年11月15日 17時36分 公開
[Renee Boucher Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 Oracleでは、自社のFusion Middleware製品に「Enterprise2.0」機能を組み込む計画だ。このソフトウェアプラットフォームを競合他社の製品から差別化するのが狙いだ。

 FusionにEnterprise2.0機能を組み込むという計画は、サンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld」カンファレンスの2日目に、Oracleのトーマス・クリアン上級副社長がキーノートスピーチで明らかにした

 クリアン氏は、OracleがFusion Middleware 11gに組み込む予定の多数の新機能について詳しく説明したが、その中で最も重要な新展開として明らかにされたのがEnterprise2.0構想であった。

 「OracleのEnterprise2.0構想は、ユーザーが慣れ親しんでいるWiki、ブログ、RSS、会議室、ソーシャルネットワークなどの機能をエンタープライズアプリケーションに組み込むことを目指したもの。これには標準ベースのプログラミングモデルが採用されるため、各種サービスを情報システムとさまざまな形で組み合わせることができる」とクリアン氏は11月13日のキーノートスピーチで語った。

 「第一段階として必要なのは、構造型、非構造型を問わず、さまざまな種類のドキュメントを大容量デバイスや専用デバイスに分割して保存・管理することを可能にするOracle Universal Content Manager Serverである」(同氏)

 クリアン氏はContent Manager Serverの新機能として、ドキュメントをクレンジング/フィルタリングすることにより、構造化されたクリーンなドキュメントを提供する機能を紹介した。

 Content Manager Serverには、ドキュメントの全文検索機能や、「レガシードキュメント」をPDF、HTML、XMLなどのドキュメントタイプに変換する機能なども含まれる。

 しかしSAP、IBM、BEA、Microsoftなどのライバルとの競争でOracleの差別化を可能性にすると思われるのは、主として同社の「WebCenter Suite」の新機能である。競合各社も、それぞれのミドルウェアプラットフォームを通じてアプリケーションの「Web2.0」化を目指している。

 Oracleは過去45カ月間で41件に及ぶ企業買収を通じて、自社のポートフォリオに多数のアプリケーションとソフトウェア技術を蓄積してきた。クリアン氏によると、WebCenterを利用することにより、Oracleの企業ユーザーはドキュメントを作成し、それをWeb上に配置した上で、そのドキュメントを編集し、Oracleのリポジトリに発行することが可能になるという。

 「リポジトリに発行したドキュメントは、RSSで表示できるように割り振ったり、容易に検索できるようにドキュメントに関するメタデータをタグとして追加したりできる」と同氏は説明する。「Oracle E-Business Suite、PeopleSoft、Siebelなどの既存のアプリケーションと連携したマッシュアップを利用することにより、プレゼンテーション環境を拡張することが可能だ。この環境は共有することもできる」。

 Enterprise2.0(従業員などがブログ、Wiki、RSSフィードなどのWebベースの技術を通じてコラボレートする機能)は、プロセスを連携したり複合型アプリケーションを開発したりする機能ほど重要ではないにせよ、企業を引き込んでいる新分野として注目されている。その理由としては、インフラの有無にかかわらず、従業員がいわゆるEnterprise2.0技術を積極的に利用するようになったことが挙げられる。

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