Hotwireの登場により、テキストベースのシェルと近代的なGUIは互いに交わることのない2つの別世界ではなくなった。Hotwireを試してみると、その便利さには驚かされることだろう。
Hotwireの説明をしようとするとどうしても「コマンドラインGUI」や「グラフィカルシェル」や「GUI xterm」というような矛盾しているように聞こえる表現になってしまう。しかし実際のところHotwireはそういうものなのだ。つまりHotwireはテキストベースのシェルと近代的なGUIのあいのこのような存在だ。
このような表現になってしまう原因の1つは、普通のデスクトップユーザーがUNIXのシェルをあいまいに把握している点にある。普通のユーザーはたいていの場合、シェルのことを意識していない。独立したバイナリであるコマンド(lsやchown)と実はシェルが提供している内部的な関数(cdやumask)とがあるということくらいはおそらく知っているかもしれないが、スクリプトをたくさん書く人でなければ、どのコマンドがどちらなのかということまではなかなか覚えていないだろう。たいていのユーザーは、必要なコマンドをプロンプトに入力して用を済ませたらシェルにもう用はなく、本来の作業に戻るだけだ。
このように目立たない存在になってしまっているシェルを21世紀風にアップデートする必要があるのではないかと考える人がいても不思議ではない。コリン・ウォルター氏もそう考え、Hotwireを作成した。
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