コマンドラインとGUIを融合するHotwireLeverage OSS(3/4 ページ)

» 2007年12月05日 11時55分 公開
[Nathan-Willis,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

Hotwireのインストール

 HotwireはFedora、Ubuntu、Mandriva、Arch、Debian用にあらかじめパッケージされたものが利用可能になっているが、Hotwireの開発速度が速いので、各ディストリビューションのパッケージが最新のものではなくなっている可能性がある。そのような場合ソースパッケージを利用することになるが、ソースパッケージを利用するといっても単にダウンロードして、展開して、「python ui/hotwire &」を実行するだけで良い。

 HotwireはLinuxシステム上では幾つものGNOMEサービスを利用するため必ず依存関係を満たしておく必要がある。また適切なPythonパッケージをインストールしておく必要もある。依存関係についての詳しいリストは、HotwireのwikiのHotwireDevelopmentページに書かれている。

 なぜ「Linuxシステム上では」と断っているのか不思議に思われたかもしれないが、それはHotwireがWindows上でも動くためだ。Windows用のポートはLinux用の開発ブランチほどには注目されてはいないが、必要条件のPythonとGTK+ライブラリをインストールすれば実行できるし、そうすることで開発者がWindowsポートを最新に保っておくことに協力することにもなる。

 Hotwireを起動すると、GTK+の標準的なウインドウが表示される。いちばん上にはメニューバーがあって、その下に大きなキャンバス領域があり、さらにその下にテキストボックスがあり、いちばん下にドロップダウンメニューがある。

ターミナルエミュレータも組み込まれている

 テキストボックスにコマンドを入力すれば、(形式はさまざまではあるが)結果がキャンバス領域に表示される。一般的な結果としては、(何を入力したのか忘れた場合のために)入力したコマンドの内容がいちばん上に表示されて、その下にファイルのリストが表示される。いちばん下のドロップダウンメニューには常にカレントディレクトリが表示される。cdでディレクトリを移動すると、前にいた場所がドロップダウンメニューに追加されるので、元の場所に素早く戻ることができる。

 Hotwireとxtermの違いを最も分かりやすく体験するには、典型的なコマンドを幾つか試してみれば良いだろう。例えばHotwireでは、cdで新しいディレクトリに移動するたびに毎回、自動的にディレクトリの内容が表示される。表示されたファイルをダブルクリックすれば、ちょうどNautilus で行なった場合と同じように、該当するファイルタイプ用のそのユーザーの環境のデフォルトのアプリケーションがファイルを開く。また右クリックでそのほかの操作をすることもできる。

 Hotwireではsh組み込みを使ってさまざまなシェルコマンドを実行できるが、従来のようなシェルスクリプトを書くことはできない。とはいえその代わりにPythonスクリプトを書けば良いので、深刻な欠点ではない。Hotwireのwikiには、Hotwireのアーキテクチャの概要から始まって、パイプラインの基本独自の拡張と組み込みの書き方まで続く、素晴らしい入門用ガイドが用意されている。

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