「変化を巻き起こす経営に挑む」――日本HPの小出新社長が会見

「変化に対応するのではなく、変化を巻き起こす経営に挑みたい」――日本ヒューレット・パッカード(HP)の小出伸一新社長が12日、就任会見を行い、抱負などを語った。

» 2007年12月12日 19時13分 公開
[松岡功,ITmedia]

 12日1日付で日本HPの代表取締役社長執行役員に就任した小出伸一氏が12日、都内ホテルで記者会見を行い、日本HPの経営に対する考え方やトップとしての抱負を語った。

小出伸一氏 記者会見で抱負を語る日本HPの小出伸一新社長

 経営に対する考え方について小出氏は、「グローバルでのHPはダイナミックにスピード感のある経営を行っている。私も日本HPの経営トップとしてそれを踏襲するとともに、変化に対応するのではなく、変化を自ら巻き起こしていくような経営を行っていきたい」と強調。会見中、この「変化を自ら巻き起こす」というフレーズを何度も使い、アグレッシブな経営スタイルへの執着を示してみせた。

 また、日本HPのシステム事業における今後の注力分野については、「企業の顧客が期待しているのは、ハード、ソフト、サービスを合わせたトータルソリューション。しかもこれからは顧客が抱える経営課題の一歩先を行くようなソリューションが求められる。その点では、日本HPも産業別および全産業に共通するセキュリティや運用管理などのソリューションを展開しているが、まだまだリーチできていない領域が少なくない。そうした領域が、逆に言えばこれからの大きなビジネスチャンスになると思っている」と語り、今後、綿密な戦略を練ったうえで積極的に打って出る姿勢をアピールした。

 小出氏は大学卒業後、1981年に日本IBMへ入社し、主に金融機関向けシステムの営業畑を歩んできた。90年代には北城恪太郎社長(当時)の補佐も務め、米IBMの経営企画部門も経験。日本でもサーバ事業やアウトソーシング事業の責任者などを務め、一時は大歳卓麻社長の後任の最有力候補とも目されていた。その後、2005年に日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)に転職し、営業統括責任者として常務執行役を経て、今年10月末に退職するまで代表取締役副社長COOを務めていた。

 そうした経歴の中で、小出氏は日本HPについて、「日本IBM時代はコンペチターとして、ソフトバンクテレコムおよびソフトバンクグループの立場ではユーザーでありパートナーとして見ていた」と言い、「多角的に見てきた自らの目を今後の経営の舵取りに役立てたい」と語った。

 また、日本HPの経営トップに招へいされた理由については、「(日本IBM時代の)24年間のIT業界での経験に加え、日本HPの顧客には通信分野も多いことから、通信会社での経営経験も含めて適任と評価されたのだと思う」と自らを分析してみせた。

 小出氏は最後に、尊敬する経営者および目指すべき経営者像について聞かれ、こう語った。

 「私自身の経歴の中で言うならば、米IBMのルイス・ガースナー元CEOと、ソフトバンクの孫正義社長。ガースナー元CEOについては米IBM本社へ出向した際に、非常にメリハリの効いた経営手法を学ばせてもらった。またソフトバンクテレコム時代にお世話になったソフトバンクの孫社長からは、常に現場の声を聞くこと、若手の意見に耳を傾けること、そして、変化に対応するだけでなく、変化を自ら巻き起こしていく姿勢を学んだ。このお二人から学んだことを、日本HPの経営の舵取りにぜひ生かしていきたい」(小出氏)

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