Intelの小さな変調にウォール街は大きく反応(1/2 ページ)

Intelの2007年4Q業績は増収増益となったものの、株式市場の期待には及ばなかった。

» 2008年01月18日 16時16分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 堅実な製品ロードマップを示しているIntelだが、同社の10〜12月期の決算報告は、2008年の米国経済の見通しをめぐってウォール街をさらに失望させる内容だった。

 Intelの直近の四半期決算報告は、ウォール街の苛立ちの解消にはつながらなかったようだ。

 カリフォルニア州サンタクララに本社を置く巨大チップメーカーのIntelは1月15日、同社の2007年10〜12月期の利益が1株当たり38セントで、売上高は昨年同期を10%余り上回る107億ドルだったと発表した。しかしウォール街では1株当たり40セントの利益、108億ドルの売上高を期待していたため、同社の株価は時間外取引で急落した。

 ウォール街のアナリストにとって、IT業界全体の景気指標となってきたIntelの決算は、米国経済の停滞が続くとともに、2007年にはノートPCの売り上げが貢献して拡大したPC市場が減速を始める予感させるに内容だった。決算発表の後で行われたアナリスト向けの電話会見でIntelのステイシー・スミスCFO(最高財務責任者)は、「米国経済の強さについては軽々しい発言は控えたい」と述べた。

 Intelのポール・オッテリーニCEOは、米国経済の減速を懸念する声がある中、IntelおよびPC業界はともに成長の可能性があることをウォール街に納得させるのに腐心した。同氏は、Intelが前四半期に業績予測を達成できなかった主要な理由の1つとして、同社のフラッシュメモリ事業が予想を下回る価格のために業績が振るわなかったことを挙げた。

 Intelの10〜12月期の冴えない決算報告にもかかわらず、一部のアナリストによると、特にハイエンドサーバ製品ならびに携帯端末/ノートPC向けのローエンドチップに関する同社の製品ロードマップは堅実だという。

 また、1月17日に10〜12月期の決算発表を行ったAdvanced Micro Devices(AMD)との競争がなかったことも、Intelが2008年前半に業績を回復する可能性につながるとみるアナリストもいる。

 アナリストらは、2008年に米国の経済およびPC需要が減退すれば、Intelは中国やインドなどの新興市場に力を入れると予想している。同社は今年、「Silverthorne」と呼ばれるプロセッサを投入する予定だ。これは当初、MID(モバイルインターネットデバイス)向けに設計されたチップである。

 しかしIntelでは、自社の45nm(ナノメートル)製造プロセスを使って生産されるSilverthorneを、低価格のノートPCを新興市場に供給する手段としても利用する考えだ。TechKnowledge Strategiesのアナリスト、マイク・ファイバス氏によると、プロセッサを大量出荷することによって利ざやを稼ぐのが狙いだという。

 Intelは65nmチップよりも多くの45nmプロセッサを1枚のウエハーから切り出せるので、Silverthorneは今年、同社のコスト削減に貢献するとみられる。

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