昨年、Lotus Connectionsを投入し、企業向けのソーシャルソフトウェアという新たなカテゴリーを確立したIBMは、Web2.0の流儀に合わせるべく、Lotusphere 2008でさらなるロードマップを明らかにした。
CEOの頭痛の種はコラボレーション ── IBMが750人を超えるCEOに検討課題を聞いたところ、コラボレーションが筆頭に挙げられた。社員が広範な地域に分散しており、イノベーションを加速するためにはコラボレーションが依然として最優先課題となっているのだ。
マーチン・ルーサー・キング・デーの1月21日、フロリダ州オーランドのウォルトディズニーワールドで「Lotusphere 2008」カンファレンスが開幕した。15回を数えるLotusphereは、2001年の米国同時多発テロのあおりを受け、いったんは参加者が減ったものの、今年は7000人を集め、規模が最盛期に戻った。IBMは、Notes/Dominoをはじめとする既存のコラボレーションツールのロードマップを示すとともに、中堅および中小企業(SMB)市場をターゲットにした「Lotus Foundations」や、同社初となるSaaS、「Bluehouse」も披露している。
あいにく全米をすっぽりと寒気が包み、温暖な米国南東部でも軒並み氷点下という寒さの中、早朝からホテルの巨大なボールルームに向かう顧客やパートナーらの息も白い。
基調講演の冒頭には、今年のLotusphereのテーマ「Emergence」(出現、台頭)を題材にした軽めの交響曲(Symphony)がオーケストラによって演奏され、例年にない華やかなオープニングとなった。
Lotusの顧客は相変わらず温かい。Lotusソフトウェア部門のマイケル・ローディンGMは大歓声に迎えられ、「鳥は群れで飛ぶ。個々の動きはシンプルだがパターンがあり、全体としては複雑なシステムとなる。新たな世界が生まれるのだ。コミュニティーも同じだ。情報を集めるための新たなトレンドについて、このLotusphereで学んでほしい」と話した。
これまでにもITを活用してコラボレーションを円滑にする手法はあった。ドキュメントを中心としてコラボレーションを促進する手法や、人を中心としたそれだ。この分野のリーダーであるIBM Lotusも、Notes/DominoやSametimeによって、そうしたトレンドを牽引してきたが、ここへきて新たなスタイルも台頭している。「コミュニティー」中心のコラボレーションだ。
「さまざまな革命的なツールがコミュニティーのために登場している。わたしも責任ある父親としてわが子の宿題の面倒を見ているが、まるで考え方が違うのに驚かされる。それと同じように彼らは意見の相違の解決も公開の場で図ろうとする。そして、いずれ彼らが会社に入ってくるのだ」(ローディン氏)
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