トラブルコールよりバーゲンを優先。でも許して。悲しき女子ヘルプデスク物語(4/5 ページ)

» 2008年01月23日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

 何かしでかしてから「私、何もしていません!」とのたまう人も多い。それは決して責任逃れのウソをついているわけではない。彼(または彼女)にとっては、きっと真実なのだろう。あくまでも、その人にとっては、だけど……。

 ある日かかってきた不吉な電話。外付け(USB接続)のハードディスクのデータが、丸ごと見えなくなった、というのだ。電話の主によると、「何もしていないのに突然消えた」らしい。

 かみ合わないやりとりを電話で数分続けた時点で、仕事に必要な大量の画像データを外付けハードディスク(Eドライブ)に適当にフォルダを分けて保存してあるということと、画像編集ソフトのデフォルトドライブをEに設定していて、[ファイル]−[開く]メニューを選択したら即座にEドライブを見に行くようにしているということが分かった。

 「外付けハードディスクの電源は入っていますよね?」

相手 (バカにするな、という感じで)「もちろんです。さっき電源を入れましたから。」

 え、さっき!?

相手 「ファンの音がうるさいので、普段は電源を切っています。画像ファイルを使う時だけ、電源を入れるようにしています。」

 むむ、怪しい。

相手 「もちろん、普段はハードディスクの電源を入れて、Windowsの『ぺこん』という音(どうやらUSB機器が認識された時に出る音のことらしい)が聞こえてから画像編集ソフトを起動するようにしています。今回もそうしたんですけど、Eドライブに何も入っていないんです。」

 「確かに『ぺこん』という音は聞こえたんですね?」

相手 「はい。変な操作をして分からなくなるのも嫌だから、いつも同じ操作をするように心がけています。なのに今日だけ、ファイルが見えないんです。」

 いつもと同じ作業、ね……。まあ、ファイルが見えていないにしても、Eドライブを認識しているんだから当然か。

 「まさか、Eドライブをフォーマットしたなんてこと、ないですよね?」(一応、聞いておこう。)

相手 「それはないですよ。さっきフォーマットした時は、Eドライブは電源が入っていませんでしたから。本当に、何もしていないんです。」

 ……今なんと?

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