マルチプラットフォームで輝き始める“Ruby”(1/2 ページ)

MicrosoftやSunなどが、各種のプラットフォームでRuby言語を推進している。

» 2008年02月06日 07時33分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Ruby言語の人気上昇に伴い、MicrosoftやSun Microsystemsなどでは、同言語をさまざまなプラットフォームに対応させる取り組みを進めている。

 「RubyCLR」の開発者で、MicrosoftのDLR(Dynamic Language Runtime)チームのプログラムマネジャーを務めるジョン・ラム氏は、.NETプラットフォーム用のRubyのインプリメンテーションである「IronRuby」の提供に向けた同社の取り組みについて語った。RubyCLRは、Ruby開発者がMicrosoft CLR(Common Language Runtime)上でRubyコードを書くためのブリッジ。

 ワシントン州レドモンドにあるMicrosoftキャンパスで開催された「Lang.NET」カンファレンスで講演したラム氏は、Rubyは「古い考えの人から若者まで」広範な世代で使われている「クロスジェネレーション」言語であると述べた。大規模なデータセンターの仕事でRubyをベースとしたRuby on Railsフレームワークを利用している人もいるという。

 「わたしの目標は、できるだけ多くの環境でRubyを動作させることだ」とラム氏は付け加えた。

 「Windows上、そしてLinuxやMac OSなどDLRが動作するすべての環境でRubyがネイティブに動作するようにしたい。ほとんどの人々が当社のインプリメンテーション上でRailsを動作させることに関心を持っている」と同氏は語る。

 ラム氏は、自身が取り組んでいるIronRubyプロジェクトやSunの「JRuby」、クイーンズランド工科大学(QUT)の「Ruby.NET」と「Rubinius」仮想マシン/コンパイラなど、現在開発中の各種インプリメンテーションについて述べた。RubiniusテストスイートでIronRubyがこれまでに合格したのは、その57%である。しかし同プロジェクトはデバッグをサポートしており、QUTプロジェクトから「tokenizer」とパーサを受け継いだ。

 ラム氏によると、DLRとIronRubyとの間のインタフェースの仕様は現在策定中であるため、Microsoftはプロジェクト全体を外部の開発者にまだ公開できないという。また、IronRubyチームはパフォーマンスのチューニングについてはまだ何も行っていない。この取り組みはまだ初期段階であり、IronRubyチームは今後も、β版そして1.0リリースに向けて作業を続けるとしている。

 QUTの講師でRuby.NETプロジェクトのリーダーを務めるウェイン・ケリー氏によると、このプロジェクトは2005年にスタートしたという。QUTでは2003年に、Microsoft Researchから資金提供を受け、Perl言語の.NETプラットフォーム対応版である「Perl.Net」の開発に携わった。

 2006年に登場したRuby.NETコンパイラの最初のβリリースは、MicrosoftのIronPythonプロジェクトの初期の成果に基づくものだったとケリー氏は話す。同プロジェクトは、.NETプラットフォーム用のPython言語のインプリメンテーションの提供を目指した取り組みである。

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