株取引分野で台頭するオープンソースの理由O'Reilly Money Tech(1/2 ページ)

株取引のコモディティ化に伴い、Web2.0を利用したオープンソースの投資プラットフォームへの人気が高まりつつある

» 2008年02月12日 08時51分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 情け容赦のない株取引ビジネスで戦略的な優位を確保するために、ユーザーが生成した財務/投資関連コンテンツを活用するWeb2.0企業が増えている。

 株取引のコモディティ化は、オンライントレーディングプラットフォームの基盤となる技術が、もはや金融サービス企業にとって戦略的アドバンテージにはならないことを意味する。

 この状況は、オープンソースの金融技術のプロバイダーにとって追い風となる。例えば、Web2.0ベースの株取引/投資コミュニティーのZeccoでは、自社のオープンソースプラットフォームにより、7万5000人の顧客に手数料無料の株取引を毎月10件提供するとともに、同社の財務コンテンツを生成するコミュニティーを構築しているという。

 2月7日に開催された「O'Reilly Money:Tech」カンファレンスでZecco Holdingsのジェレン・ベスCEOは米eWEEKの取材に対し、「オープンソースのように無料というのは良いことだ。だが魅力はそれだけではない。重要なのは情報であり、投資家たちは投資対象を探し出し、それについて議論したいと思っているのだ。われわれにとってのキラーアプリケーションは、ユーザーが生成したコンテンツだ。当社の顧客はこのコンテンツを通じて、ポートフォリオデータや投資に関する知識とノウハウを共有している」と語った。

 Zeccoのサイトで提供されている財務および投資関連のコンテンツの中心となるのは顧客のブログやフォーラムであり、すべてのコンテンツに対してZeccoのスタッフが調整役として目を配っている。

 Zeccoの投資家コミュニティーは、こういったツールを利用してポートフォリオデータや株取引戦略などの情報を交換している。また、ほかのメンバーの同意があれば、彼らの取引状況のデータを参照することもできる。

 このオンライン投資コミュニティーとユーザー生成コンテンツモデルは、Web2.0ベースの金融企業に革新的なビジネスモデルへの扉を開くことにもなった。これらの企業はもはや、株取引の手数料と有料の投資情報による収入だけに依存していない。

 こういったWeb2.0企業は現在、利子、クロスセル、広告など多様なソースから収入を得ており、ベス氏は「これは当社にとって余録となる部分だ」と話している。

 Zeccoではさらに、必要が生じたときに自社開発の新しいコミュニティープラットフォームを投入する準備として、新たなデータベースの構築も進めている。

 同社ではオープンソースの取引プラットフォームをまだ採用していないが、ベス氏によると、これには大きなメリットがあるという。プロプライエタリな取引プラットフォームはすぐに時代遅れになり、ベンダーが約束を果たさないことも多いからだ。

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