もっと参加しやすいコミュニティーに――Fedoraの新議長が語るFocus on People(1/3 ページ)

「コミュニティーにとって障壁となるものを取り除きたい」。新任のFedora議長であるポール・フリールド氏はこう話す。在任中に実現したいFedoraプロジェクトの目標について聞いた。

» 2008年02月29日 12時40分 公開
[Bruce Byfield,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 「コミュニティーにとって障壁となるものを取り除きたい」。新任のFedora議長ポール・フリールド氏はこのように抱負を述べた。数週間前に就任したばかりで職場環境や職員の理解に努めている最中だが、このビジョンはすでに発言の端々に折り込まれ、在任中に実現したいFedoraプロジェクトの目標について述べたあらゆる発言の基礎になっている。

 フリールド氏は、同プロジェクトの前議長マックス・スペバック氏がFedoraの別の活動に専念するため議長を辞したのを受けて第2代議長に就任した。Fedora Project Leaderも兼任することになる議長はFedoraディストリビューションを後援するRed Hatが同社従業員の中から指名するが、フリールド氏によると、選考の過程には「Fedora Boardもかかわって」おり、フリー/オープンソース(FOSS)の精神を理解しない者や独断専行的な者がFedora Boardまたはコミュニティーのいずれかに支持されることはまずあり得ないという。

 かく言うフリールド氏は、さまざまな点でFedora議長にふさわしい人物だ。8歳からコンピュータを趣味とし、長年、科学技術や法廷での仕事にFedoraとその前身であるRed Hat Linuxを使ってきた。2003年11月にはその「恩返し」ができるだろうと、2か月前に発足したばかりのFedoraプロジェクトに参加。以来、パッケージ管理、解説書、リリース・ノート、アート作品、マーケティングの各部門で精力的に活動し、Fedora大使としてもFOSS全般、特にFedora をフレデリックスバーグ(バージニア州)に普及させるべく活動してきた。2006年からはFedora Boardの委員となり、Fedoraプロジェクトを隅から隅まで知悉している。

 そのフリールド氏の印象では、Fedoraはこの数年で自立を達成できたという。「Fedoraが2004年に始まったとき、多くの人はRed Hat Linuxの後継であり同じ道を歩むだろう、Red Hatの意向に従って動くのだろうと見ていた。しかし、このディストリビューションが今では、真実、協力関係に基づいて運営されていることは明白だ」。フリールド氏はその功労者としてスペバック氏の名を挙げる。CoreリポジトリとExtraリポジトリの統合を指揮し、これによりRed Hatの従業員が管理するパッケージとコミュニティーのボランティアが管理するパッケージの区別がなくなった。また、FedoraのコミュニティーカンファレンスであるFUDConをリリースを追うごとに発展させてもきた。

 実際、Fedoraの自立は明らかで、現行リリースFedora 8はRed Hat従業員から「コミュニティーディストリビューション」として認識されているほどだ。「これは、ディストリビューションの周囲にコミュニティーが育ち、本当に花開いているということの、彼らなりの思いやりある表現だ」

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