Sunによると、ほかのベンダーとは違い、同社にはターンキー型クラウドモデルを立ち上げるのに必要なピースの多くが既にそろっている(あるいは間もなくそろう見込み)という。
Sun Microsystemsはクラウドコンピューティング時代に対応し、開発者とデザイナーが同社の環境の中でアプリケーションを運用できるようにする計画だ。
Sunは「Project Hydrazine」と呼ばれる大規模なプロジェクトにおいて、自社の中核的技術を最大限に活用してターンキー型ホステッドソリューションを提供する予定だ。これにより、開発者はSunのプラットフォームだけを利用してアプリケーションやサービスを作成し、それらを収益化することができるという。
Sunのディスティングイッシュドエンジニアで、同社のソフトウェア部門のCTO(最高技術責任者)を務めるボブ・ブルーイン氏によると、ほかのベンダーがまだ取り組む準備ができていない戦略を立ち上げるのに必要なピースを同社は持っているようだ。その多くは既にそろっているか、間もなくそろう見込みだという。
サンフランシスコで開催された「JavaOne」カンファレンスにおいて、5月6日に行われたeWEEKとのインタビューでブルーイン氏は「Project Hydrazineはネットワーク環境、データセンターおよびそのほかのインフラコンポーネントで構成される」と語った。これらのコンポーネントには、Sunのリッチインターネットアプリケーション技術であるJavaFX、同社のアプリケーションサーバのGlassFish、同社のエンタープライズサービスバス、同社のディレクターサーバ、MySQL、「安価なストレージ」、Sunのハードウェアなどが含まれるという。
そのほかにも、クラウド上で動作するサービスを保存するためのリポジトリや、アプリケーションの開発に利用・再利用されるメタデータのリポジトリも用意される、と同氏は話す。
さらにSunは、Project Hydrazineの一部として「Project Insight」という分析技術を導入する予定だ。「開発者はこれにより、誰が自分の製品を使っているかを把握し、製品に広告を埋め込むなどして収益化を図ることができる」とブルーイン氏は説明する。
「その横には開発環境と開発ホスティングサービスが置かれる。われわれは、開発者とデザイナーがアプリケーションをできるだけ簡単に開発、活用できるようにしたいと考えている」とブルーイン氏は語る。また、開発者とデザイナーでは、これらのサービスの利用方法が異なる可能性が高いという。「デザイナーは、既存のサービスを独自の方法で組み合わせてマッシュアップを作成するかもしれない」(同氏)
ホスティングについては「IDE(統合開発環境)内で接続された開発者が実行ボタンを押すだけで、アプリケーションがクラウドに配備される。これは、われわれがJava EE(Java Platform, Enterprise Edition)で配備サイクルを不要にしたのと同様だ」とブルーイン氏は話す。
「Hydrazineのクラウド部分は、Amazon EC2やGoogle App Engineのようにアプリケーションの実行を可能にする拡張型コンテナを装備する」(同氏)
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