Windows 7がD6でデビュー「マルチタッチUIは有望」(1/3 ページ)

Microsoftは5月27日、iPhoneの大嵐の前の静けさに乗じて「Windows 7」を紹介した。

» 2008年05月29日 21時02分 公開
[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

 カリフォルニア州カールズバッドで開催される「D Conference」でMicrosoftがWindows Vistaの後継OSを披露するようだといううわさが以前から流れていたが、これは本当だった。わたしは、現在進行中のオープニングナイトイベントの会場からこの記事を書いている。6回目となる今年のカンファレンスは、単に「D6」と呼ばれている。

 MicrosoftでWindowsエクスペリエンスプログラム管理を担当するコーポレート副社長のジュリー・ラーソン・グリーン氏は、「Windows 7」の短いデモを披露し、改善されたユーザーインタフェースの一端をのぞかせた。Microsoftは「Surface Computing」インタフェースを採用したテーブル型PCに搭載されているマルチタッチ技術を、一般向けOSに組み込む考えのようだ。

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは、このデモを「Windows 7のごく小さな一部分」だと表現している。小さな一部分かもしれないが、これは大きな機能だ。

 ジュリーがマルチタッチ機能のデモで使用したDellのLatitude XTは、現在市販されているのと同じモデルである。OSのUI(ユーザーインタフェース)の今後の進化を考えれば、「マルチタッチは極めて重要だと思う」と彼女は語った。

 ジュリーはMicrosoftの新星だ。彼女はOffice 2007のUIの開発を統括した。(デモの動画はこちら

 「Windows 7ではこういったことができるようになる」とジュリーはWindows Paintを使って指先で絵を描きながら語った。「あらゆるサイズ、あらゆる形態のコンピュータにマルチタッチ技術が搭載されるだろう」と彼女は言う。しかしデモで使われたLatitude XTがそうであったように、マルチタッチをサポートするデジタイザ機能がコンピュータに組み込まれている必要がある。

 マルチタッチは「マウスを完全にリプレースするものではない」ことをジュリーは認めている。だが同技術はWindows 7に組み込まれ、ユーザーはマウスを使わなくてもタッチ&ジェスチャーでWindowsを操作できるようになるという。

 人間は道具を使う生き物だが、指によるタッチはマウスとキーボードよりも自然なUIである。マルチタッチを推進しているのはMicrosoftだけではない。AppleもこのUIをiPhoneで推進している。

なぜD Conferenceなのか?

 D ConferenceはWindows 7のお披露目にうってつけの場所だ。D6の主催者であるカーラ・スイッシャー氏とウォルト・モスバーグ氏は、幅広い人脈を持ったITジャーナリストである。両氏主催のカンファレンスには、IT業界の超大物や非常に強い影響力を持った人物が集まることが多い。D Conferenceで合併話などが持ち上がることも珍しくない。このカンファレンスは、「All Things Digital」サイト(http://allthingsd.com/)、ブログ、従来のニュースメディアなどでも大きく取り上げられる。Windows 7の小さなデモにとっても、これは大舞台なのである。

 タイミングも見事だ。Appleのスティーブ・ジョブズCEOは、今年のD Conferenceに参加しない(6月9日から始まる同社のデベロッパーカンファレンスの準備で忙しいのだろう)。また、今夏最大の技術イベントとみられる「iPhone 2.0」のデビューまで少なくともまだ2週間ある。Microsoftは、Appleが静かにしている時を見計らってWindowsの話題を盛り上げようとしているのだ。

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