Windows 7がD6でデビュー「マルチタッチUIは有望」(2/3 ページ)

» 2008年05月29日 21時02分 公開
[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftにとって必要なのはポジティブな話題である。Windowsの厄介者となったVistaはさんざんこき下ろされている。Windowsに対する否定的な話題は盛り上がっているが、好意的な声は少ない。MicrosoftはWindows 7の一端を披露することにより、同OSをめぐる話題を多少なりともコントロールできそうだ。Microsoftにとっては、すべてを明らかにするのではなく、Windowsコミュニティーの好奇心を絶えず刺激するように、情報を小出しに公開(そしてリーク)する方がうまくいくのかもしれない。

 D6へのAppleの不参加の影響は、ジュリーのプレゼンテーションにも現れていた。マルチタッチ技術は既にiPhoneで利用可能なのである。もしAppleがD6に参加していれば、Microsoftはこのプレゼンテーションをするのに苦労したことだろう。Mac OS風のドックがWindowsの従来のツールバーに置き換わっているなど、Macに似た部分が随所に見られた。

 従来、Microsoftが新OSに関して公表する最後の要素がユーザーインタフェースというのが普通だった。MicrosoftがLonghorn(別名Vista)のUI要素について語ったのは、2003年10月だった。

 しかし主要な変更部分については、OS開発の終盤になるまで伏せられていた。Microsoftがあまり早い時期に多くの情報を開示すれば、流行を決定するUIをOSに組み込むチャンスをAppleやLinuxの開発者に与えることになるからだ。Appleは既にマルチタッチを推進しており、Windows 7のリリースよりも先に登場しそうな次期版Mac OS Xの主要機能としてマルチタッチを組み込むのも容易だろう。

 MicrosoftがWindowsの話題をコントロールしようとしているのは明らかだ。CNET News.comは今日、Windows/Windows Live技術グループを統括するスティーブン・シノフスキー氏とのインタビュー記事を掲載した。この記事が投稿されてから9分後には、MicrosoftのWindows Vista公式ブログに「Communicating Windows 7」と題された補足記事が掲載された。スティーブン氏のインタビュー、ブログ記事、そして今夜のWindows 7のデモが連動していたのは明らかだ。

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