Windows 7がD6でデビュー「マルチタッチUIは有望」(3/3 ページ)

» 2008年05月29日 21時02分 公開
[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK
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なぜ今なのか?

 もう1つの疑問は「なぜ今なのか」ということである。Microsoftのデベロッパーカンファレンスは半年も先だ。しかも、Windows Vistaがメインストリーム市場に登場してまだ1年半ほどにしかならない。つまりMicrosoftは、異例ともいえるほど早い時期にVistaの後継OSについて公の場で語り始めたのだ。わたしの結論は次の通りだ。

  • Windows 7は2009年に出荷される。クリスマス商戦に間に合うのはほぼ確実だろう。Microsoftは今日、Vistaから大きなアーキテクチャの変更がないことを明らかにした。これは開発の困難を大幅に軽減するだろう。
  • Microsoftでは、Windows 7に関する情報公開がVistaの売り上げに響くのを気にしていない。これは冷徹な姿勢だ。MicrosoftはついにVistaを見限ったのか、あるいは、市場での評判が非常に悪いので、何をしても売り上げがこれ以上落ち込む心配はないと経営幹部が判断したのだろうか。それとも、幹部たちは1億5000万ライセンスの出荷という輝かしい数字に目を奪われ、Vistaは大健闘していると考えているのだろうか(多数のライセンスがWindows XPにダウングレードされたのだが)。
  • スティーブンとジュリーは、新たに設立されたWindows管理チームのメンバーである。同チームはWindows 7の開発をきちんと管理していることを示す必要がある。Vistaに関連した幹部の大半は、Microsoftを去るか左遷された。かつては、Windowsを送り出すことは大幅な昇進を意味した。それがVistaの場合、Microsoftでのキャリアが台無しになることを意味するようになった。Microsoftは教訓を学び、Windows 7の開発ではVistaの轍を踏まないという安心感を創出することも、新しいWindows管理チームの任務である。
  • Windows 7の価値が何であれ、それはコアアーキテクチャ以外の部分で実現されることになる。すなわち、新しいUIそしてMicrosoftが同OSに連携あるいは統合するサービスによって実現されるのだ。

 今夜のデモから判断すれば、Microsoftが10月のデベロッパーカンファレンスでβコードをリリースする予定であるのは間違いなさそうだ。このタイミングは、「Internet Explorer 8」の公開β版のリリース予定とも一致する。しかしWindows 7のβ版は開発者向けで、大規模なテスト用として公開されるわけではない。

 わたしは、VistaがWindows 7の基盤としてベストであるとは思わない。とはいえ、マルチタッチはOSのUIの自然な進化である。Microsoftがその方向に進むのはいいことだ。しかし、たぶんAppleの方が先にゴールに到達するだろう。

 最後に重要な疑問が残っている――Vistaの後継OSはラッキーセブンになるのかということだ。まだ何とも言えないが、マルチタッチUIが非常に有望であることは確かだ。

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