IBMのインターンシップはITの優先課題に対応こんなITプロが必要

グリーンIT、Web 2.0、仮想世界の技術に通じたITプロフェッショナルを必要としているようだ。

» 2008年06月14日 03時08分 公開
[Deb Perelman,eWEEK]
eWEEK

 IBMのインターンシップが何らかの指標になるのだとしたら、今後5年間に企業のIT部門が何を求めるかを同社は既に知っているということだ。彼らによると、それはグリーンIT、Web 2.0そして仮想世界の技術に精通したプロフェッショナルだ。

 これらはビッグブルーが2008年夏期に、同社で最も競争の厳しいインターンシッププログラム「Extreme Blue」でフォーカスする3つの分野である。

 Extreme Blueのプログラムマネジャー、ベロニカ・ウッディー氏はeWEEKの取材で、「IBMの戦略的構想に対応した戦略的集団を育成するつもりだ。この夏、これらの分野で複数のプロジェクトを立ち上げる予定だ」と語った。

 Extreme Blueプログラムは各種のプロジェクトを担当するチームで構成され、各チームには3人の技術メンバーと1人のMBA学生が割り当てられる。IBMは平均で50件のプロジェクトのスポンサーとなり、そのうち6つのプロジェクトは米国の各研究所で行われ、残りはカナダ、欧州、中国、インド、ブラジルの研究所で実施される。

 IBMのグリーンデータセンター構想は今年の新たな取り組みであり、これは再生可能エネルギー市場の規模が今後10年間で2200億ドルになるという予測に基づく。グリーン技術を手掛ける企業の給与は2006年、40%近く上昇した。

 「IT企業の1100人のCEOにアンケートを実施したところ、彼らはグリーンIT構想について非常に真剣に考えている。また、当社の研修生は環境問題および企業の社会的責任に深い関心を抱いている」とウッディー氏は話す。

 テキサス州オースティンでIBMのグリーンプロジェクトに参加している2人の研修生は、自分たちが取り組んでいる技術だけでなく、巨大な組織での体験についても熱心に語っている。

 コロラド大学でコンピュータサイエンスを専攻するライアン・ホルト氏は、グリーンプロジェクトのユーザーインタフェースを設計している。このインタフェースは「Energy Scale」と呼ばれ、データセンターのコンピュータの電力管理をサーバレベルで行うもので、サーバの電力を最適化することができるという。同氏がこのインターンシップで学んでいる最も重要なスキルの1つが、巨大組織で仕事を進める方法だという。

 「学校で教えてくれるのは、問題を解決するのに特定の方法を用いるといった技術的スキルがほとんどだ。しかしここでは人間的なスキルをたくさん学んでいる。一からスタートするのではなく、既存のIBMプロジェクトに取り組んでいるので、仕事を遂行するのに必要なリソースを見つけるにはどんなふうに援助を求めればいいのかといったことを学べる」とホルト氏は話す。

 ホルト氏によると、IBMのインターンプログラムは、自分の主張を簡潔に伝えるスキルを磨くことにも大きな重点が置かれているという。

 「プロジェクトの予算を上司に承認してもらうには、自分の主張をあらかじめ整理しておく必要がある。これは、斬新なアイデアを実際に売れる製品に変えるのにも役立つ」(ホルト氏)

 ニューヨーク州トロイにあるレンセラー工科大学のMBA学生のペリー・ジョーンズ氏(コンピュータ技術と電気工学の学士号も保有)は、ホルト氏のプロジェクトチームのビジネス面を担当している。ジョーンズ氏によると、グリーンプロジェクトに携わることができてわくわくしているが、Extreme Blueのプロジェクトは何であれ、参加できるだけでも名誉なことだという。

 「このプログラムは非常に競争が厳しく、グリーンITであれ何であれ、プロジェクトに選ばれるだけで、プログラムに応募した人々の多くよりも既にずっと先に行くことになる」とジョーンズ氏は話す。

 ジョーンズ氏は、プロジェクトのビジネス面を担当することで、大学で学んでいるスキルに磨きをかけることができると感じている。

 「この取り組みは、わたしが大学で学んだことと非常に関係が深い。とりわけ、開発中の技術に適した市場をみつけること、そして顧客が求めるものを提供するという部分だ」とジョーンズ氏は話す。

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