ブレードサーバでグリーン&仮想化

日本HP、無停止をうたうNonStopサーバにブレード型を投入狙いはメインフレームのモダナイゼーション

日本HPは6月25日、99.9999%の高可用性をうたうNonStopサーバの新ラインアップとしてブレード型の製品を投入した。超並列フォールトトレラントサーバとしての堅牢性と、ブレードシステムとしての管理性、拡張性、コンパクトさを融合した製品だという。

» 2008年06月25日 21時13分 公開
[石森将文,ITmedia]

無停止型アーキテクチャとブレードシステムの融合

日本HP エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 松本芳武氏

 日本ヒューレットパッカード(以下、HP)は6月25日、疎結合超並列アーキテクチャとしてメインフレームと同等の高可用性をうたう無停止型ブレードシステム「HP Integrity NonStop NB50000c BladeSystem(以下、NB50000c)」を発表し、報道陣に対し説明を行った。同製品はNonStopブランドにおける初のブレードフォームファクタ製品(HP BladeSystem c-Class)となる。同社ではNB50000cを、当時のタンデム・コンピュータ(後にコンパックにより買収。その後、コンパックもHPに買収される)による市場投入以来30年超にわたり築かれたNonStopサーバの高信頼性と、HP BladeSystemに由来する高いコストパフォーマンス、省スペース、高いエネルギー効率といった特徴を融合させた製品と位置付けているという。

 挨拶に立った日本HP エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 松本芳武氏は、IDCの調査結果を引きながらブレードサーバ市場における同社のポジションを「国内でシェアナンバーワン」と述べつつ、「日本のユーザーは、過去メインフレームに大きな投資をしてきた。ある意味これがオープンシステムへの移行を遅らせているとも言える。既存ユーザーはもちろん、従来はNonStopサーバの採用に踏み切れなかったユーザーに、ぜひ使って欲しい」とアピールした。

 同製品は、CPUとしてItaniumプロセッサ9100番台を搭載している(1ノード16CPU、シングルシステムとして最大4080CPUまでの直線的拡張が可能)。デュアルコア化によるパフォーマンスの向上で、Javaでのアプリケーション開発や、業務パッケージの移植などがより容易になるという。またブレードフォームファクタを採用したことで、8CPU/16コアを10Uラックマウントサイズのエンクロージャに集積できる。単純に考えると、NSシリーズなど従来のNonStopサーバに比べ「約50%の設置面積でおよそ2倍の性能」ということになる。

8CPUで標準構成をとった場合のモデル。CPUモジュールとしてBladeSystem c-Classを採用し、エンクロージャはc7000となる(同一シャーシ内でx86系のブレードサーバと混在させることはできない)。このラック1本でメインフレームの代替となり得るという(クリックで拡大)

 NB50000cのハードウェア構成において、今回新たにStorage CLIM、IP CLIM(CLIM=Cluster I/O module)といったI/Oサブシステムが開発された。これにより従来のFCディスクに加えSASディスクが利用可能になり、またギガビットイーサネットのポートも増強された。HPでは「従来のI/Oは約50%高速化された」としている(CLIM解説ページへのリンク)。

 従来製品とのアプリケーション互換については、NSシリーズとはバイナリ互換(コンパイラも1バージョン)、さらに1世代前のSシリーズとはソース互換になる。

 HPによると、既存のNonStopユーザーはもちろん、金融、通信、製造、流通といった、これまでメインフレームが採用してきたユーザーに対し、NB50000cを提供していくという。根拠としては、同製品が1トランザクションに要するコストが従来のメインフレームの50%で済むこと、またTCOは35%削減されることなどが挙げられた(2008年、Standish Group調べ)。

 NB50000cは6月25日より販売開始される。最小構成時の価格7875万円(税込み)から。

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