Lenovoは数年前から、同社のThinkPadノートPC向けに「ThinkVantage」というPCソフトウェアツールセットを提供している。これには、保護、リカバリ、セキュリティなどのアプリケーションが含まれる。
独自のツールやサービスを提供している企業はほかにもある。例えば、Intelの「vPro」は、プロセッサ自体に組み込まれたセキュリティ/管理機能のセットである。Phoenix Technologiesでは、仮想化機能をBIOSに組み込もうとしている。一方、Hewlett-Packardでは、ノートPCにデータをダウンロードできないようにするために、ハードディスクを搭載しないシンクライアント型ノートPCを提供している。
Dellでは、各種のサービスを用意し、ユーザーが必要なサービスだけを選択できるようにすることで、大企業だけでなく、ノートPCのセキュリティ対策を実施するためのITスタッフや予算を持っていない中堅中小企業もターゲットとする考えだ。
DellやLenovoなどのPCベンダーは、ノートPCのセキュリティを強化する方法を模索しているが、Enderle Groupのアナリスト、ロブ・エンダール氏によると、データを紛失するという可能性について真剣に考えていないユーザーやIT部門が多いという。
「企業のIT部門は、まだこの問題をあまり真剣に受け止めていないようだ」とエンダール氏は指摘する。Trusted Platform Module(TPM)などのセキュリティ機能が利用されていないケースも多いという。「今日販売されている業務用ノートPCのほとんどにTPMが搭載されているが、この機能が有効にされている割合は10%にも満たない。結局、誰もが自分だけは大丈夫だと思っているのだ」(同氏)
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