自分の身のまわりのルーティン業務をこなしていればそれですむという時代はとうの昔に終わっている。他の部門のこと、会社とライバル企業の関係などを知ることが重要だ。
今回は前回のベンチマーキングに続いて、もう1回、広い視野ということについて考えてみよう。ベンチマーキングは自社の外へ出て、社外のベストプラクティスを探す活動を主体としている。そしてそれは、競合他社とのパフォーマンスの比較を通り越して、世の中のベスト、異業種であってもベストなところを求めて広がっている。しかも、それは単にまねして参考にするだけではなく、コネクト&ディベロップの共創戦略へとつながってきている。このようにベンチマークは広い世界にいかにアクセスを持つかを議論するわけだ。
しかし、一方で私たちには忘れてはならない資源がある。それは社内の知識だ。企業は、もともと知を創造する主体であり、その知の特殊性ゆえに、他社にまさり、生き残ることができている。ところが、われわれはどれだけ自社のことを知っているだろうか?
例えば、
このような質問に皆さんは答えられるだろうか? かなり難しいと思う。しかし、わたしたちが仕事をしていくときに、自分の身のまわりのルーティン業務をこなしていればそれですむという時代はとうの昔に終わっている。大きな構想を描いて、顧客の視点に立って、新たなイノベーションを起こしていかなければならなくなっている。このことは、われわれが自分の狭い世界だけではなく、まずは自分たちのすぐ隣にある資源をどれだけ有効に活用し、連携していくかにかかっているのではないだろうか。
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