Eclipseを通じてオープンソースを利用する企業ユーザー企業がOSSに理解示す(1/2 ページ)

企業はオープンソースソフトウェアを利用することでメリットを享受しているだけでなく、Eclipseモデルを通じてオープンソースに貢献するという形でもメリットを得ている。

» 2008年09月02日 08時00分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Eclipse Foundationのリーダーらによると、オープンソースモデルが成熟化しつつあり、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)という枠を超えて企業に進出し始めている。それを示すものとして、企業が社内で開発したコードをEclipseプロジェクトに寄贈するという新たなトレンドが見られるという。

 これは、オープンソースの目的と原則が企業に受け入れられていることを意味する。企業は社内の開発プロジェクトでオープンソースを採用するだけでなく、オープンソースを使って開発した技術をコミュニティーに戻すという形でオープンソースにも貢献しているのだ。

 Eclipse Foundationの執行ディレクター、マイク・ミリンコビッチ氏によると、これらの企業がコードを寄贈するのは、利他的な理由によるものだけではなく、自分たちが開発した技術を普及させたいと考えているからだという。

 興味深いのは、自社独自の技術をEclipseに提供しようとする企業もあることだ。Eclipseは基本的に、ISVがコードを共有し、Eclipseのコア技術をベースとするプロジェクトを開発し、各社がそれを利用できるようにするための場であった。しかし、これらのコードを利用して商用製品を開発する可能性を追求することが共通のテーマになっていた。

 Javaの世界に生きている開発者がEclipseを利用していなかったり、Eclipseをベースとするソリューションを提供していなかったりすると、困った立場に追い込まれることになりそうだ。ベンダー各社もそれぞれの技術を一斉にEclipseに移行している。そしてここにきて、企業がオープンソースの世界に入るための手段としてEclipseに目を向けているのだ。ミリンコビッチ氏によると、Eclipseは企業のこういった取り組みを支援するのに「有利な立場」にあるという。長い間、ISVにとってそのような場となってきたからだ。

 「このパターンは2つの主要な分野で現れている」とミリンコビッチ氏は話す。1つは、企業が業務を改善するのに役立つコードを開発するために他社とコラボレーションを始めたいと考えていることだという。「これらは、オープンソースソフトウェアのメリット、すなわちオープンソースがもたらす実力主義、透明性、オープン性、ロングテール効果を求めている企業だ。彼らは技術を活用し、平等な機会を実現するための手段としてオープンソースを捉えている」(同氏)

 ミリンコビッチ氏によると、もう1つのパターンは、企業が「資産保護のためにオープンソースを利用する」というものだ。すなわち、自社で開発したコードを寄贈することによって、それが社外でも生きることが保証されるからだ。

 ミリンコビッチ氏は、最初のパターンの例として「Eclipse Open Financial Market」プロジェクトと「Eclipse Open System Engineering Environment」プロジェクトを、2番目のパターンの例として「Tigerstripe」プロジェクトを挙げている。

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