ルーキーながら圧倒的な存在感でブラウザ戦争に参戦したGoogle Chrome。本稿では、これからGoogle Chromeを使ってみようという方のために知っておいて損はないGoogle Chromeのワンポイントアドバイスをお届けしよう。
すでに一部では「ちょろめ」などと呼ばれ親しまれているGoogle Chrome(グーグルクローム)のβ版。すでに多くのユーザーが先を争うようにその使用感などをブログなどに書き込んでいるが、本稿では、これからGoogle Chromeを使ってみようという方のために、知っておいて損はない情報を3つお届けしよう。
まず、Google Chromeの基本的なショートカットキーを押さえておこう。
キー | 機能 |
---|---|
Ctrl+N | 新しいウインドウを開く |
Ctrl+T | 新しいタブを開く |
Ctrlキーを押しながらリンクをクリック | 新しいタブでリンクを開く |
Shiftキーを押しながらリンクをクリック | 新しいウインドウでリンクを開く |
Alt+F4 | 現在のウインドウを閉じる |
Ctrl+Shift+T | 最近閉じたタブをもう一度開く(最後に閉じた10個までのタブが記憶されている) |
Ctrl+Tab | 右のタブに切り替え |
Ctrl+Shift+Tab | 左のタブに切り替え |
Ctrl+1〜8 | 特定の位置番号のタブに切り替え(番号は一番左のタブが1) |
Ctrl+9 | 最後のタブに切り替え |
Ctrl+W(Ctrl+F4) | 現在のタブやポップアップを終了 |
Ctrl+B | ブックマークバーのオン/オフ |
Ctrl+H | [履歴]ページを表示 |
Ctrl+J | [ダウンロード]ページを表示 |
Shift+Escape | タスクマネジャーを表示 |
Ctrl+P | 現在のページを印刷 |
Ctrl+F5(Shift+F5) | キャッシュコンテンツを無視して現在のページを再読み込み |
Ctrl+F | ページ内検索ボックスを開く |
Ctrl+G(F3) | ページ内検索ボックスに入力した情報の次の一致を表示 |
Ctrl+Shift+G(Shift+F3) | ページ内検索ボックスに入力した情報の前の一致を表示 |
Ctrl+U | ソースを表示 |
Ctrl+D | 現在のページをブックマーク |
Ctrl++ | テキストを拡大 |
Ctrl+− | テキストを縮小 |
Ctrl+0 | 通常のテキストサイズに戻す |
各ブラウザのJavaScriptベンチマークテストを、SunSpider JavaScript BenchmarksおよびGoogleが用意している「V8 Benchmark Suite」で検証してみた。V8 Benchmark Suiteでは以下の5種類のベンチマークテストが実施可能で、スコアが高いほど優秀なブラウザであるといえる。
なお、筆者のPC環境は、CPUがIntel Core2 Duo E6750(2.66Ghz)、メモリ2Gバイト、OSはWindows XPで、各ブラウザとも3回試行し、最もスコアがよかったものを明記している。また、Firefoxについては、拡張機能を入れていることもあり、Safeモードでの検証も併せて行っているほか、norah氏に協力いただき、Firefox 3.1 b1pre(CPU:E6400、メモリ1Gバイト、Windows XP)の結果も参考値として同載している。SunSpiderの各項目のデータについては、こちらに結果を掲載しておく。
ブラウザ | Google Chrome | Firefox 3.0.1 | Firefox 3.0.1 (セーフモード) |
Opera 9.5.2 | Safari 3.1.2 | IE8 beta | Firefox 3.1 b1pre (参考値) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SunSpider Total |
1301.6ms | 3630.0ms | 2478.4ms | 3460.4ms | 3034.8ms | 6842.4ms | 3204.4ms |
V8BS Score | 2184 | 162 | 251 | 319 | 199 | 73 | 203 |
V8BS Richards | 2673 | 144 | 243 | 182 | 108 | 54 | 159 |
V8BS DeltaBlue | 2628 | 139 | 302 | 238 | 152 | 57 | 200 |
V8BS Crypto | 1673 | 156 | 167 | 167 | 165 | 46 | 156 |
V8BS RayTrace | 1491 | 184 | 238 | 512 | 281 | 88 | 221 |
V8BS EarleyBoyer | 2839 | 192 | 340 | 897 | 415 | 162 | 314 |
どちらのベンチマークテストでも、Google Chromeはほかのブラウザと比べて優れた結果を残していることが分かる。V8 Benchmark Suiteの結果はGoogle ChromeもFirefoxもCPUのクロックに応じて同じような線形で上がっているようで、Google Chromeに搭載されているJavaScriptエンジンであるV8の実力はうそ偽りではないことがうかがえる。ただし、ベンチマークテストによってはFirefoxやIE8の方が早くなるケースも報告されているほか、Mozilla Corporationのブレンダン・アイクCTOは公式ブログで、TraceMonkeyとV8のSunSpiderによるテスト結果を公開、V8よりTraceMonkeyの方が早いとしており、最終的な結論を下すのはまだ早いかもしれない。なお、V8の設計についてはDesign Elementsのページが詳しい。
いずれにせよ、JavaScriptが高速に動作することで、GmailやGoogle Maps、Google Gearsなどの体感速度は大幅に改善されることになる。ローカルアプリケーションと変わらないと感じるユーザーも少なくないだろう。そこにおいては、もはやOSが何であるかは問題ではないと考えられるだけに、Microsoftからすると相当の脅威になるだろう。
とはいえ、不具合もそれなりに存在している。Google Chromeヘルプセンターにそうした情報がまとめられているが、「SSLクライアント認証が未サポート」「FlashプラグインでIMEが使用できない」といった不具合が報告されている。また、Google Chromeは拡張機能をサポートしていないため、Firefoxのヘビーユーザーなどからすると物足りない部分もあるし、Firefoxでいうマスターパスワードに相当するものが存在しない、EVSSLに未対応であるといった部分で、セキュリティ面で不安を感じる方もおられるかもしれない。完成度の高いブラウザなのでつい忘れてしまいがちだが、Google Chromeはまだβ版であることを認識した上で、常用ブラウザにするかを判断したい。
GoogleはGoogle Chromeの発表に併せて、「Chromium」というオープンソースプロジェクトも立ち上げており、ここからJavaScriptエンジン「V8」などがダウンロード可能となっている。なお、Googleで開発された部分は宣伝条項のない修正BSDライセンス(New BSD License)の下で提供されている。
かつてNetscape、Firefoxの開発に携わり、現在はGoogleのエンジニアであるベン・グッドガー氏はThe Chromium Blogで「we are releasing all of the code as open source under a permissive BSD license」と述べており、また、日本語のページでも「オープンソースの精神に基づき、Google Chromeのすべてのコードも公開されます」と書かれている。Google Chrome利用規約の中にはこれと矛盾する部分(10.2項)があったり、そのほかにもおかしな部分が散見されるようなので、単にほかのサービスなどで用いていたEULAを流用して、そのチェックが甘かったのだと考えてよいだろう。
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