これまではIT系企業で“働く人”にスポットを当て学んできた江水君。今回はIT系企業そのもののありかたについて教わることに。冠里さんのレクチャーについていけるだろうか?
冠里さん 江水君、何をそんなにニコニコしているのですか?
江水君 そろそろデータばかり見ているのも飽きてきたのですが、今回は業界を構成する企業の話をしてくれるというから、楽しみなのです。
冠里さん 業界を構成する企業の理解が業界の正しい理解へとつながりますからね。ここで質問です。「業界」というのは、どのように分類するか知っていますか?
江水君 え! それって決まっているんですか?
冠里さん ほとんどの業界は「母体」と「業態」によって分類できます。
江水君 それは、どういうことなのでしょう?
冠里さん 母体による分類とは、すなわち「親会社の有無と種類」による区分です。例えばIT業界を母体で分類すれば、特定の親会社を持たない「独立系」、別業種の事業親会社を持つ「ユーザー系」、そして同業種の外資系親会社を持つ「外資系」のほか、コンピュータ(ハードウェア)の製造業から情報サービス業へとシフトしてきた「メーカー系」、会計や業務一般のコンサルティングから情報サービス業へとシフトしてきた「コンサル系」に分類できるわけです。
江水君 なるほど。
冠里さん 一方、業態による分類は「当該企業の主要事業」による区分です。この方法によればIT業界は、主に要件定義・概要設計・プロジェクト管理を担当する企業、運用管理やアウトソーシングを担当する企業、システム開発全般を担当する企業、そしてネットワークやインフラを設計構築する企業、ビジネス一般や業務のパッケージソフトウェアを開発する企業、ITエンジニアを派遣する企業などに分類できます。
江水君 なぜ、そんなに細かく分類しなくてはならないのでしょう?
冠里さん 次の図のように、そもそも企業の数が多すぎて、分類しないと分かりにくいからです。
江水君 なるほど、確かに。
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