冠里さん それではまず、これらの企業を母体で分類してみましょう。この「ユーザー系」を見てください。
江水君 あ、とても分かりやすくなりましたね。
冠里さん ユーザー系の企業の多くは、親会社の情報システム部門が分離したり、親会社のシステム構築を受託開発するために作られたりしました。
江水君 見たことのある企業名がついた会社も多いですね。
冠里さん ユーザー系の企業は、新日鉄ソリューションズ(新日鉄)、三井物産(三井)、伊藤忠商事(伊藤忠)、ケーシーエス(さくら)、キヤノン、クレディセゾン(セゾン)、住友商事(住商)など親会社のブランドを“冠”につけているところが多いから見分けやすいのです。ただし、ユーザー系にも、親会社からの案件受注がメインの企業と、親会社以外の企業からも多くの案件を受注している企業があるので注意しましょう。
江水君 では、外資系にはどのような企業がありますか?
冠里さん ではあらためて、分類してみましょう。
江水君 外資系は、それほど数が多くないんですね……。
冠里さん 売上高で絞り込んでいるという事情もありますが、日本進出にはそれなりにコストもかかりますから、企業の数は当然限られてきます。
江水君 外資系企業には、どのような特徴があるのですか?
冠里さん それは、パッケージ&サービスで分類すると分かります。
江水君 ほとんど数が減りませんね。
冠里さん そう。外資系企業は、何らかのパッケージソフトを主軸にビジネスを展開している場合が多いのです。
江水君 でも、例えば日本アイ・ビー・エムはシステム開発も数多く手掛けていますよ。
冠里さん :日本アイ・ビー・エムは例外的なケースです。ほとんどの企業は、技術部隊の主力は海外で、日本は営業部隊中心の組織になっています。また最近は、EDSジャパンや日本サード・パーティーのように、グローバル企業向けに運用やアウトソーシング事業を展開する企業も増えています。
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