ANAのシステム障害、原因は「認証機能の有効期限切れ」

ANAが14日に起きた大規模なシステム障害の原因を発表した。空港のカウンターで係員が操作する端末を認証する際、認証サーバの暗号化認証機能の有効期限が切れていたためという。

» 2008年09月18日 16時47分 公開
[ITmedia]

 全日本空輸(ANA)は9月18日、14日に起きた大規模なシステム障害の原因は、空港のカウンターで係員が操作する端末を認証する際、認証サーバの暗号化認証機能の有効期限が切れていたためと発表した。

 システム障害は14日未明に発生。端末に旅客データを取り込むことができなくなり、計63便が欠航、357便が遅延。約7万人に影響が出た。

 原因は、端末認証管理サーバの暗号化認証機能の有効期限が9月14日1時44分までに設定されていたこと。空港のカウンターに設置された端末を係員が使おうとした際、暗号化処理でエラーが出た。

 同サーバは2005年9月に導入した。当初は暗号化認証機能を使用するシステムがなく、有効期限を初期設定の3年(08年9月14日まで)のままにしていた。07年に認証機能を使い始めたが、有効期限の確認を怠っていた。

 15日、16日は暫定的なシステムで運用し、原因を究明。有効期限が原因と特定し、16日深夜から17日未明にかけて有効期限の延長処理を行い、正常動作を確認した。

 再発防止に向け、有効期限が設定されている全システムの使用状況を調査する。システム開発プロセスの標準化を進め、マニュアルを充実させ、チェック体制を強化する。社外の第三者による開発プロセス審査体制も築く。

 山元峯生社長の報酬の50%を1カ月カットするなど、幹部10人の処分も発表した。

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