Microsoftのクラウドを操る女注目集まるWindows Azure(1/2 ページ)

デブラ・クラパティ氏はクラウドサービス「Microsoft Windows Azure」をサポートするデータセンターの責任者だ。センターを年中無休で稼働させ、AmazonやGoogleに負けないサービス提供に努める。

» 2008年10月30日 14時08分 公開
[By Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftのグローバル・ファンデーション・サービス部門副社長であるデブラ・クラパティ氏は、「Microsoft Windows Azure」クラウドサービスをサポートするデータセンターの責任者だ。彼女に与えられた仕事は、Microsoftのデータセンターを24時間年中無休で稼働させ、Amazon.comやGoogleに負けない利便性の高いサービスを提供することである。

 ロサンジェルス――Microsoftの新しいクラウドコンピューティング戦略「Windows Azure」に人々の注目が集まっている。その「クラウド」を実際に稼働、運用する責任者がデブラ・クラパティ氏だ。

 クラパティ氏が入社した6年前、Windows AzureはまだMicrosoftの視界の隅にぼんやり光る何かに過ぎなかった。しかし、いまやMicrosoftのデータセンターインフラストラクチャを統括する立場にある彼女が、「自分の部署がAzure環境を最初に利用し、テストすることになった」(同氏)

 クラパティ氏のグループは、Azureの他にも、Microsoft MessengerやHotmail、Searchサービスなど、同社の200以上のプロパティを運用管理している。

 ここでMicrosoftのデータセンターの実力を示す興味深いデータをいくつか挙げてみよう。クラパティ氏によると、Live Searchは41の言語で月間21億6000万件の照会をサポートし、MSNは5億5000万人のユーザーと月間100億以上のページビューをサポート、さらにMicrosoft Live IDは1日10億件以上の認証、そしてMicrosoft Messengerは1日82億件のメッセージをサポートしている。

 Azureによってデータセンターにさらに大きなキャパシティが必要になったとき、「どのようにデータセンターを構築していくべきか、社内で徹底的に議論した」とクラパティ氏は振り返る。「われわれは配送センターの近くに戦略滑走路を敷設するFedExのモデルを検討した。もっとも、われわれが運ぶものは小包ではなく、ビットだが」。

 そこで、「米国のヒートマップを作成し、あらゆる条件を入力してデータセンターを建設するための最適な場所をはじき出した。その結果がワシントン州のクインシーだった」とクラパティ氏。ここを選んだ理由は2つあった。「1つはクリーンな水力発電があること。もう1つは、町が光ファイバ化に力を入れていたことだ」(同氏)。

 クラパティ氏によると、クインシーの施設には約50万平方フィートのスペースがあり、75エーカーの敷地は周囲1.3マイルという広大なもの。建設に用いられた鋼材は2000トン、コンクリートはミキサー車3125台分、石膏ボードは数百万平方フィートに上る。またデータセンターに引き込まれた電力は、コロンビア川のクリーンで再生可能な水力発電によるものだ。

 「クインシーは100%水力発電だ」とクラパティ氏。最初に完成した建物は、IT機器に最大27メガワットの電力を消費するという。

 クラパティ氏によると、Microsoftは4、5年前から、ソフトウェア・プラス・サービスにフォーカスしたデータセンターの構築計画を進めていた。そして、いまから3年半前、「画期的な設計によるデータセンター網の構築をスタートさせた」(同氏)。その1つであるテキサス州サンアントニオのデータセンターは、メディアにも広く取り上げられた。

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