しかし、Microsoftが現在建設中で、あまり注目されていないデータセンターの1つがシカゴにある。同社初のコンテナ型データセンターをベースとする施設である。クラパティ氏の説明よると、18ホイールの大型トラックで輸送できるコンテナ型データセンターは、必要に応じて既存のサイトにキャパシティを追加できるという。
「コンテナはMicrosoft仕様になっており、他社のものとはまったく異なる」とクラパティ氏。「われわれは高度な拡張性を持つシカゴのパイロットに期待している」
Microsoftは2007年1月にシカゴサイトの建設に着手し、1年後、約2500台のサーバを収容できる40フィートのコンテナ群を搬入してテスト運用を開始した。
一般的なデータセンターは通常25台から30台のサーバを管理しているが、「われわれの施設は標準的なスペースに従来の10倍ものサーバを収容することができる」とクラパティ氏。「拡張性が高いということはコスト的に有利であることを意味し、Microsoftの料金体系に競争優位をもたらす」と同氏は語る。
さらにクラパティ氏は、Microsoftにとってシカゴのデータセンターがコンテナを基本のサーバパッケージングおよび配備ユニットとする最初のデータセンターになる点を強調。施設全体が完成すれば、16エーカーの敷地に70万7000平方フィート以上の床面積を持つ大規模データセンターが誕生し、Microsoftのソフトウェア・プラス・サービス戦略の根幹を担う数十万台のサーバが稼働するようになる。同社によると、シカゴの施設は完成時、世界最大規模のデータセンターの1つとなり、コンテナの導入事例としても世界最大になるという。
Windows Azureのリリースに向けて、「われわれはアミターブ(スリバスタバ、Azureチームを指揮するMicrosoft副社長)のグループと連携し、サーバの最適化やサーバプラットフォームはどうあるべきか、グローバルな拡張性を実現するためにどのようなネットワークを実装すべきかなど、さまざまな議論を行っている」とクラパティ氏。
今後、Azureに対する需要がCommunity Technology Preview(CTP)などを通して明確になってくれば、「現行および将来見込まれる需要をサポートするための必要十分なキャパシティを確保したい。Microsoftは今後もクラウドに積極的に投資していく方針で、データセンターへの投資額はおそらく3億ドルから7億ドル規模になるだろう。これまでもクラウドを可用性を高めるために莫大な資金が投じられている」と同氏は語る。
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