AmazonがGoogleを押さえ、ベストクラウドプロバイダのトップに――米調査大差をつけて

クラウドコンピューティングに最も大きな影響を及ぼすと思われる企業を回答する調査で、Amazon.comが2位を大きく引き離して1位だった。

» 2008年11月21日 16時17分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 AppistryとCloudCampが実施した調査で、クラウドコンピューティングに最も大きな影響を及ぼすと思われる企業にAmazon.comを選んだ回答者が、Googleを選んだ回答者のほぼ2倍に上った。またクラウドコンピューティングが普及するために改善すべき課題の上位3項目は、セキュリティ、リライアビリティ、スケーラビリティだった。

 クラウドウォッチャーたちがクラウドコンピューティングの未来に最も大きな役割を果たすと期待するプロバイダは、Googleではなく、Amazon.comだった。

 Appistryと“アンカンファレンス”組織のCloudCampは、CloudCamp参加者を対象に共同実施した一連の調査結果を発表した。今年9月に開催した「CloudCamp Silicon Valley」で、Appistry/CloudCampが実施した第1回「 Inside the Cloud」調査では、Amazon.comがGoogleをほぼ2対1(62%対33%)の大差で押さえ、クラウドコンピューティングに最も大きな影響を及ぼすと期待される企業のトップに躍り出た。

 また回答者の66%は、クラウドコンピューティングにとって現在の市場環境は有利な状況にあり、クラウドプロジェクトは今後も増加が見込めるとしている。一方、回答者の15%は、今後クラウドプロジェクトは頭打ちになると見ている。

 クラウドコンピューティングが今後さらに普及するためには、どのような課題に取り組むべきかという質問では、セキュリティ、リライアビリティ、スケーラビリティの3項目が回答の上位に並んだ。またクラウドコンピューティングで今後最も進展が見込める分野は、インフラストラクチャとアプリケーションという回答が多かった(それぞれ39%、30%)。

 さらに回答者は、会社あるいは顧客がクラウドコンピューティングの導入を加速する最も大きなビジネス要因に、コスト削減とスケーラビリティの向上を挙げている。

 「Amazonはクラウドインフラストラクチャを最も積極的に推進するプロバイダの1社であり、調査結果を見ても、人々は同社が今後も市場をリードし続けると信じていることが分かる」と語るのは、CloudCampの共同オーガナイザーで、Appistryの製品管理マーケティング担当副社長、サム・シャーリントン氏だ。「今回の調査では、AmazonがGoogleの2倍の支持を得ただけでなく、Google、Microsoft、IBMの3社を合わせてもAmazonの人気にかなわなかった」

 なお回答者の属性は、62%がクラウドプロバイダ、24%がクラウドコンサルタント、20%がクラウドコンピューティング技術の導入を検討している企業の担当者だった。

 AppistryのCEO、ケビン・ハー氏は11月19日、カリフォルニア州サンノゼで開催されたSys-Conの「Cloud Computing Expo」で行ったプレゼンテーション「クラウドコンピューティングとデータセンターの未来」の中で、同調査の内容を紹介した。またAppistryの共同創立者でチーフストラテジストのボブ・ロザーノ氏は翌20日、「アプリケーション仮想化の新しい意味:クラウド対応アプリケーション」というテーマで講演を行った。

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