「日本人は世界で通用する」は56%――外国人上司に質問ポジションを奪われる気はしないが

日本のビジネスマンは世界でやっていけるのか、克服するべき課題は何か。日本人部下を持ち、1年以上日本に在住する25歳以上の外国人542人に聞いた。

» 2008年12月01日 08時00分 公開
[ITmedia]

 ITや航空などさまざまな技術の発達で地球が小さくなる中、日本企業の多くが日本だけにとどまれなくなってきた。少子高齢化による人口減少で内需縮小が予測されており、日本企業は新たな市場を求めている。野村證券はリーマン・ブラザーズのアジア事業を、サントリーはニュージーランドの栄養ドリンク大手フルコアを700億円で買収した。

 トムソン・ロイターの調べによると、2008年に入って日本企業による海外企業の買収規模は対前年比265%に達したという。悲観論がうずまく一方で、日本企業は円高と豊富なキャッシュを武器にM&A攻勢をかけている状況だ。

 そんな中、今後日本のビジネスマンは世界でやっていけるのか、克服するべき課題は何かといった点が気になってくる。外資系転職求人サイト「キャリアクロス」を運営するシー・シー・コンサルティングは、日本人部下を持ち、1年以上日本に在住する25歳以上の外国人542人に「世界で通用するか」など日本のビジネスマンについてアンケート調査を実施した。

日本のビジネスパーソンは世界でも通用すると思いますか?

 「日本のビジネスパーソンが世界で通用するか」の質問に、23.4%が「通用する」、32.4%が「まあ通用する」とし、計55%が程度の差はあれ通用すると回答した。今後身に付けるべき要素を自由回答で聞いたところ、「語学力」が最多の88件、国際感覚が79件、リスクを恐れないなど自立性が52件、日本人以外の受け入れなど異文化経験が39件という結果だった。

 具体的には、仕事の質への評価が非常に高かった。「ていねい」が49.1%、「ややていねい」の33.5%と合わせる83%に上る。論理性が長けているかの質問では、程度の差はあれ「長けている」とした45.3%に対し、「欠ける」との回答は21.8%だった。そのほか、36.5%が程度の差はあれ「問題解決力がある」と回答、「仕事の要領」は同様に45%がプラスの評価をした。協調性については75%の回答者が良いと評価している。

 一方で、問題点も多かった。「創造性」については約45%がマイナス評価で、プラス評価は25%にとどまった。「挑戦する気持ち」も57%がマイナスの回答をし、プラスは26%と低かった。リーダーシップについても43%が程度の差はあれ「欠ける」と答えている。

 日本人部下と仕事をしていて苦労する点では「他人との衝突を恐れる」が13.8%で1位。「リスクを避ける」が12.4%、「変化への対応力がない」が12.2%、「創造性に欠ける」が10.6%、「コミュニケーション力がない」が7.9%、「仕事が遅い」が7.5%と続いた。自由回答では「困難は感じない、国籍は関係ない」が最多の10件、「英語力がない」が8件と続く。「慣習や上司に縛られている」という意見もあった。

 最後に、苦笑してしまうような回答もあった。「日本人に将来ポジションを奪われる脅威を感じるか」の質問に「感じる」は6%、「やや感じる」は15%だった。「あまり感じない」の42.1%と「感じない」の37.2%を合わせると80%の回答者が、日本人に脅威を感じていないことが分かった。

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