2008年 最優秀社長にユニクロ柳井氏――ビジネスキーワードは“サブプライム”企業経営者が選んだ

日本の企業経営者が選ぶ「2008年 最優秀社長」として、社長業に“再登板”し好業績を上げたユニクロ柳井氏が選ばれた。同時に調査した「2008年のビジネスキーワード」は「サブプライム」が最多得票。産能大調べ。

» 2008年12月17日 14時59分 公開
[ITmedia]

 米国の金融危機に端を発する景気下落局面の中、日本の企業経営者が「2008年に最も優れていた”社長”」と評価するのはファーストリテイリングの柳井正 氏であることが分かった。調査対象は従業員数が10人以上の企業経営者。インターネットリサーチにより515人の経営者が回答した。調査期間は12月5日から9日まで。産業能率大学調べ。

 柳井氏は、2位のソフトバンク 孫正義 社長に50票差をつけてトップを獲得。柳井氏を推す回答者からは、社長という立場へ「再登板」した決断力と、その上での「一人勝ち」ともいえる業績達成を評価する声が大きかった。

 5位までの上位得票者と、回答者の投票理由は次のとおり。いずれも現状に甘んじることなく、変革に取り組んだ姿勢を評価しての投票が多かったようだ(「会長」、「相談役」などの役職でも、有効投票としてカウント)。

順位 氏名/社名 投票理由
1位 柳井正 氏/ファーストリテイリング 「社長に戻る決断も並みではできない。さらに業績をあげるのは尊敬にあたる」(製造業・40歳・東京)、「時機を捉えた商品展開で、最高益をあげた先見性は素晴らしい」(卸売・小売業・57歳・岩手)、「見事な復活、およびブランド確立」(不動産業・41歳・神奈川県)、「この世界同時不況の中、独り勝ちの業績。この人しか頭に浮かばない」(建設業・37歳・新潟)、「ヒット商品を生み出す商品開発力と既存店の販売力を維持している」(調査・広告代理業・34歳・北海道)
2位 孫正義 氏/ソフトバンク 「次々と斬新なアイデアで消費者の目を引きつけている」(不動産業・50歳・京都)、「携帯のリーズナブル価格の先鞭をつけた」(ソフトウェア・情報サービス業・55歳・東京)、「サービスの品質、効率を継続的に高める努力をしている」(卸売・小売業・48歳・鳥取)
3位 大坪文雄 氏/パナソニック 「大英断。歴史に残る最大の経営判断と実行力」(卸売・小売業61歳・京都)、「創業90年の松下の名前を捨てる決意」(ソフトウェア・情報サービス業・49歳・神奈川)、「グローバルな観点から冷静に自社分析と次の布石を打てている」(建設業・47歳・大阪)
4位 福井威夫 氏/本田技研工業 「ブランドをすごく大事にする企業でF1撤退を決めたのはすごい」(鉄鋼業・44歳・愛媛)、「新技術開発に対する投資を、景気後退の中にあっても臆せず行ってきた姿勢を評価する」(製造業・55歳・愛知)
5位 西松遙 氏/日本航空 「コスト削減に関する意識が素晴らしく、熱意を感じる」(飲食店・24歳・東京)、「経営状態の悪い会社を率先して倹約して立て直そうとする姿勢が見える」(建設業・45歳・青森)

 同時に調査した「社長が選ぶ今年のビジネスキーワード」の1位は「サブプライム」だった。以下「原油価格高騰/下落」、「リーマンショック」と続き、(不)景気関連のキーワードが続く。まさに2008年の経済状況を示す結果となったようだ――。

順位 社長が選ぶビジネスキーワード
1位 サブプライム
2位 原油価格高騰/下落
3位 リーマンショック
4位 世界同時不況
5位 食品偽装
6位 金融危機
7位 景気後退
8位 メタボ
9位 ワーキングプア
10位 燃油サーチャージ

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