ウイルス検出の年間トップはUSBメモリ感染型Web閲覧を端緒に

トレンドマイクロが取りまとめた2008年のウイルス報告数のトップは、USBメモリなどで感染を広げる「MAL_OTORUN」だった。

» 2008年12月18日 16時22分 公開
[ITmedia]

 トレンドマイクロは12月18日、2008年のインターネット脅威動向をまとめたリポートを発表した。検出数のトップは、USBメモリなど可搬型記録媒体で感染を広げる「MAL_OTORUN」だった。

 1月1日〜12月15日までに同社ユーザーなどから寄せられた感染報告数は5万4680件で、前年に比べて11.6%減少した。トップのMAL_OTORUNの報告数は2750件で、11月までのうち8カ月で月間のトップに立った。

 ユーザーがウイルスに感染する経路の大多数がWebを経由するもので、不正改ざんされたWebサイトやスパムメールのリンク先などを通じて、複数の不正プログラムをダウンロードする傾向が目立った。

 セキュリティ企業各社の解析によれば、可搬型記録媒体で感染を広げるウイルスは、まずWeb経由でPCに感染し、可搬型記録媒体がPCに接続されるとウイルスが自身のデータをコピーする。ユーザーが気付かないで可搬型記録媒体をほかのPCに接続すると、自動実行機能を悪用して新たに感染を広げるという。

 Web経由で感染する脅威は、このほかセキュリティ対策ソフトウェアを装って、ウイルスに感染しているとユーザーを脅し、不正に金銭を要求したり、別の不正プログラムに感染させたりする手口も多数報告された。

 これら手法を悪用する攻撃者の最終目標は、アンダーグラウンド市場で換金できる個人情報の搾取で、オンラインゲームのIDやパスワードの搾取を狙う不正プログラムの報告も数多く寄せられた。

 同社は、「複合感染のきっかけに不正プログラムをユーザーのPCに侵入させる手口の多様化や巧妙化がますます進み、ユーザーのセキュリティ意識が低い経路が狙われる」と結論付けている。

不正プログラム感染被害報告数ランキング(1月1日〜12月15日)
順位 検出名 通称 種別 件数 前年順位
1位 MAL_OTORUN オートラン その他 2570件 NEW
2位 BKDR_AGENT エージェント バックドア 786件 1位
3位 JS_IFRAME アイフレーム Java Script 578件 NEW
4位 MAL_HIFRM ハイフレーム その他 427件 NEW
5位 TROJ_GAMETHIEF ゲームシーフ トロイの木馬型 405件 NEW
6位 TSPY_ONLINEG オンラインゲーム トロイの木馬型 297件 圏外
7位 TROJ_LINEAGE リネージュ トロイの木馬型 259件 圏外
8位 TROJ_VUNDO ヴァンドー トロイの木馬型 255件 2位
9位 TROJ_RENOS レノス トロイの木馬型 226件 圏外
10位 TROJ_CABAT キャバット トロイの木馬型 187件 NEW

過去のセキュリティニュース一覧はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ