IBM Lotusphere、キーワードは「クラウド」と「新規顧客獲得」とMSバッシングLotusphere 2009を予測(1/2 ページ)

1月18〜22日にわたって開催される第16回年次「IBM Lotusphere」カンファレンスでは、クラウドコンピューティングがメインテーマになる。「IBM Bluehouse」(エクストラネット型SaaSサービス)、「Lotus Notes 8.5」、Mac用Lotus Symphony、アプリケーション開発者向けのWeb 2.0指向のウィジェット/マッシュアップなどに関する発表もある。

» 2009年01月19日 18時01分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 1月18日にフロリダ州オーランドで開幕した「IBM Lotusphere」カンファレンスでは、IT業界の数千人の顧客、パートナー、報道関係者、アナリストが、ビッグブルーのレンズを通して見たコラボレーションソフトウェアの現状について議論を交わす。

 IBMでメッセージング/コラボレーションソフトウェアを担当するケビン・キャバノー副社長がカンファレンスの前にeWEEKに語ったところによると、1億4500万人以上の企業ユーザーがLotus Notes(IBMの電子メールソフトウェア)を使っており、同ソフトウェアは現在、Fortune 100企業の半数以上で利用されているという。Fortune 100企業の残りの半数は、NotesのライバルであるMicrosoft Exchangeを利用している。

 Forrester Researchのアナリスト、テッド・シャドラー氏によると、Lotus部門は、マイク・ローディン氏の後任として新ゼネラルマネジャーに就任したボブ・ピッチアーノ氏の指揮下で活気を取り戻したという。「Lotus Notesは大企業市場では強いが、Exchangeは中堅・中小企業の間でNotesよりも人気が高い」とシャドラー氏は付け加えた。

 ExchangeとLotus Notesの市場シェアの見積りは、調査会社によってかなり異なる。Gartner Dataquestの最近の報告書によると、IBMのNotesは市場リーダーのExchangeとの差を縮めており、MicrosoftがExchangeで全世界の48%の市場シェアを確保しているのに対し、Notesのシェアは40%となっている。

 コラボレーション製品に関するIDCの年次市場シェア分析では、Microsoftの市場シェアが52%であるのに対し、IBMの市場シェアは5%低下して37.7%になったとしている。全世界の917社の企業を対象としたFerris Researchの調査によると、回答企業の65%がExchangeを利用している。

 こういった数字でIBMの年次Lotusphereパレードの気勢がそがれることはなさそうだ。キャバノー氏によると、IBMは新たにリリースした「Lotus Notes 8.5」およびMac OS Xコンピュータ用に新たに開発したLotus Symphonyを積極的にアピールするが、Lotusphereのもう1つのメインテーマがクラウドコンピューティングとSaaS(サービスとしてのソフトウェア)だという。

 クラウドコンピューティングは、企業が社内のサーバやデスクトップにソフトウェアにインストールするのではなく、インターネット経由でソフトウェアにアクセスするという方式。IBMは自社のサーバ上でこういったソフトウェアをホストしている。IBMのLotus向けクラウド製品の要となるのが、同社のSaaSコラボレーションスイート「Bluehouse」である。

 Bluehouseは、企業がプロファイル、アクティビティ、「Dogear」(IBMのLotus Connectionsスイートのブックマーキング技術)などのソーシャルネットワーキングツールを顧客に提供することを可能にする。Lotus Connectionsの次期バージョン(現行バージョンは2.0)もカンファレンスで紹介される予定だ。

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