しかし、大抵の場合、このプロセスで引っかかるのがセキュリティだ。セキュリティ上、こういったツールに企業の情報を載せてはいけない、といった議論がでてくる。これはきちんとクリアしておかなくてはならない。
わたしはコンサルタントとして相談を受けた時には、何が良くて何が悪いのかを整理することをお薦めしている。何でもかんでも発信して良いわけではないだろうし、かといって何でもNGというわけではないだろう。どの情報が良くて、どの情報がダメなのかがはっきりすれば、こういった問題はスムーズにクリアできるものだ。
このプロセスは、実は各企業のポリシーが問われるものでもある。ポリシーが不明確であると、何でも禁止するセキュリティルールを運用することになりがちだからだ。何でもかんでもガチガチに禁止することで、本来の目的が失われ、コミュニケーションの活性化に役立たなくなってしまう。しかし、だからといって緩すぎるルールもセキュリティ担当者としては心配が絶えない。
どこに落としどころを設けるかというのは、実は経営判断であるように思う。経営者がいちいち口出ししないような規模の企業なら、経営企画室や社長室が決めても良いのだろう。
セキュリティをきちんとクリアし、コミュニケーションを活性化する――。そういったことができることで、社内ブログや社内SNSを導入した意味がでてくる。
シンガポール大学(現NUS)卒業。米国PMI認定Project Management Professional取得。事業やサービスの立ち上げの経験を生かし、株式会社IWNCの組織開発コンサルタントを担当しています。組織もプロジェクトも、疲弊させず、常に活性し続けることが大事だと考えています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.