AppleはHPのタブレットを警戒すべき――その理由は(1/2 ページ)

AppleのiPadに続き、HPのSlateなどのライバルもタブレット市場に乗り込んでくる。特にSlateはデザインもいいし、Flashもサポートする。手強い敵になるかもしれない。

» 2010年03月12日 15時53分 公開
[Don Reisinger,eWEEK]
eWEEK

 AppleのiPadの発売まで1カ月を切った今、消費者はタッチスクリーン分野に新たに登場するこの製品を待ちわびている。iPadは電子書籍リーダー、App Storeへのアクセスなど素晴らしい機能を備えており、基本的には大きなiPod touchだ。価格は499ドルからと手ごろなので、かなり話題になるはずだ。

 だがこの市場に参入するのはAppleだけではない。Hewlett-Packard(HP)を筆頭に、競合他社も乗り込んでくる。HPが投入するSlateは、Apple相手に健闘できるかもしれないただ1つのライバルのように思える。Slateは、iPadにはない機能を幾つか備えている。その上、消費者が信頼できる企業がバックに付いている。簡単に言えば、Slateは警戒するべき相手ということだ。Appleは消費者へのSlateの訴求力を心配しておくべきだ。

 その理由を以下に挙げる。

1. Slateは見た目がいい

 iPadの魅力の1つはデザインだ。Appleの「消費者の目に訴えかける製品を作るデザイナー」としての能力を反映している。だがHPもSlateで同じことをやっている。確かにデザインは非常に似ているが、そんなことを誰が気にするだろうか? HPのSlateはiPadと同じくらい消費者に訴求する。今回ばかりは、Appleが簡単に製品のデザインで勝つということはないだろう。これは新鮮だ。

2. Windowsが載る

 HP SlateはWindows 7を搭載して発売される。これは極めて重要な特徴だ。iPadの問題の1つは、フル機能のOSを搭載しない点にある。このため機能が制限され、iPadはポータブルコンピュータというよりも大きなiPod touchになってしまっている。Appleはそれを目指しているのかもしれないが。ただ、ユーザーが基本的なコンピュータ作業にフル機能OSを使いたいと思うかどうかは今のところ分からない。

3. Flashのサポート

 iPadの話になると必ず、Adobe Flashとの互換性が本当に必要かどうかという疑問が持ち上がるようだ。わたしは必要だと思う。有名なWebサイトの多くはFlashを使っている。多くのWebビデオにもFlashは使われている。どんなにFlashを嫌っている人がいても、この技術はWebの必要悪であり、タブレットはこれをサポートする必要がある。SlateはFlashをサポートしている。つまりSlate上でWebサイトが動作するということだ。iPadはFlashをサポートしていない

4. 2番目だからこそ

 通常、一番最初ではなく2番目に市場に参入するとなると、企業にとっては不利になる。だが今回の場合、2番目ということがHPにプラスに働くかもしれない。AppleはiPadの機能を公開し、手の内を見せているため、HPは設計段階にまで戻ってSlateを改良し、iPadにはない機能を加えることができる。参入が遅いおかげで、SlateはiPadにある機能とない機能をすべて備えるかもしれない

       1|2 次のページへ

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

注目のテーマ

あなたにおすすめの記事PR